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21、最高のプレゼント

なんか食欲湧かないなー。

王子から変なもの(誕生日プレゼント)が届いたせいかなー。


気分転換に外で本を読んでいたや、いつの間にやらあたりは夕暮れになっていた。


晩御飯いらないかな。

もう部屋に戻って早めに布団の中に入っちゃお。


そう思い、立ち上がると何やらミリーがこちらに走ってきていた。


「ルナおねーさまーー!」


ぎゅむっ。


わわわっ。


勢いよくミリナはメルナに抱きついた。

年が一歳しか離れていないので、身長の差も体格差もないので少しふらつくメルナ。


「どうしたの?」


ミリーの頭をポンポンと撫でる。


「えへへっ」


顔をこちらに向けて笑ったかと思うと、メルナの腕を引っ張り走り出すミリナ。


ちょちょちょっ。

行儀悪っ!怒られちゃうじゃん、私まで。

…まぁ、楽しそうだし、今日だけ…ね。


ふふっと笑みをこぼし、されるがままにミリナに手を引かれ一緒に走るメルナ。


ミリナが扉を開けるとーーーー。



パチパチパチパチッ。


え?屋敷のみんな…庭師の人たちまでみんな。

なになに。なんの集まり?


「お嬢様!誕生日おめでとうございます!!」


誕生日…、あ。そっか。

私そういえば今日誕生日だったわね。  


ノルドが一歩前に出た。


「お嬢様、ささやかなものですが我々からです」


そう言って、とても大きな薔薇の花束を手渡してくれた。


「…きれい。みんなわざわざありがとう」


グレイスも声をかける。


「これはっ、俺とミリーから。俺たちまだ来たばっかで自分のお金とかないし…てか時間がなかったから!せめて気持ちだけでもとっーーー」


「2人で作ったんだよっ!!」


グレイスが話を遮りはしゃぎながらメルナ横でぴょんぴょん跳ねるミリナ。


「ケーキ。え?2人でケーキ作ったっていうの!?私のために?」


すご。

ケーキって作れるんだ。いや、あの普通の人がってか、こんな小さな子供だけで。

もちろん、研究気質だった前世の私はオールデーコンビニ飯でした!

料理なんてしませぇん、お菓子作りなんて当然にね。


だから、シンプルに尊敬だわ。


「なんだよ、確かに少し不恰好だけど…味はいけると思う」


「ううん!すっごく美味しそう!あはっ。今までもらった中で1番嬉しい誕生日プレゼントだよ!」


メルナは薔薇の花束をギュッとしながら幸せそうに笑った。






夜遅く、アスナ・スフィークは帰宅してすぐに娘の部屋を訪れた。


そして、寝ているメルナのおでこにかかる髪に触れながら小さくつぶやく。


「今年も、間に合わなくてすまなかった」


チュッ。


おでこにキスを落とすと、メルナの机の上にプレゼントを置いて部屋を出た。


毎年誕生日の次の日に、メルナの机の上に置かれているプレゼントはアスナが置いていた。

けれども、今年もメルナはそれはサリナやノルド達からなのだと勘違いするのだった。


アスナ・スフィークの思いはなかなかに娘に届かない。

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