1、私は誰?
「はなしなさいったら!やめて、さわらないでよっ…っっ!きゃっっ…」
「お嬢様っっっ!!!!」
ダンッドタタタタッ。
1人の少女がメイドの手を振り払った勢いでそのまま階段を転げ落ちてしまった。
30段程ある高さから落ちた彼女は階段を転げ落ちた後そのまま意識を手放した。
〜この物語は彼女が再び目を覚ますと異世界転生しちゃってたよって言うお話〜
ズキッーーー。
いたっ。
背中が…ってか体中痛い。腕とか折れてるんじゃないのこれ。
まだ起き上がれそうにないのでとりあえず右腕にチラリと目線だけを移した。
???
何この小さい腕。ちっさ。…ちっっっさっ!!
私は重たい体を無理やり起こして側にある鏡に近寄り、ペタペタと顔を触る。
「…だれ、これ」
鏡に映る艶のある黒髪にさから猫目がちな大きなぱっちりとした綺麗な赤い瞳。
「かわいっ」
っっって。
ちがーーーーーーうっ。
「いやいや、何これ誰これっ!」
今更ながらキョロキョロと周りを見渡すとピンクベースにリボンと。
なんともまぁ、可愛らしいラーーブリーな…お・部・屋。
コンコン。
「失礼致しま…っ!お嬢様!!お目覚めになられたのですね!!あ、私すぐに皆を呼んできますっ」
「…ちょっ」
早いなおい。
私の答える間もなく、入ってきたメイドさん?は目を潤ませて部屋を慌ただしく出ていった。
皆って誰よ。
待つこと30秒くらいで私の目の前はカオスなものとなった。
泣きながら土下座する若い女性と、私たち2人を取り囲む大勢の大人たち。
「えっと?…」
誰かお願いだからわかるように説明してくれないかしら。
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