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国議会

 なぜ……だろうか。


 昨日、お父様と約束した。今日は風邪を引くと。


 それなのになぜ王宮の一室で円卓の前に座っているの。


 遅めの朝食を楽しもうとした矢先、背後に般若を映したお母様の笑顔にお父様の意見は覆された。


 娘を愛しているお母様なら自慢したくなるのも納得。国議会は最高の舞台。


 その瞬間から私達に行かないという選択肢はなくなった。


 次々に席が埋まっていく。みんな座る前にホルン先輩に一礼する。


 国を継ぐ人だからね。敬意を払うのは当然。


 ハティは私を見るなり自分に会いに来てくれたとでも勘違いしてそうな明るい笑顔。

 そんなわけないでしょうが。バカなんじゃない。


「アラン団長も出席するんですね」

「ケエイ殿に呼ばれましたので」

「遅れてすまない。レックス嬢もよく来てくれたね」

「私のような者がこの場にいるなんて恐れ多いです」

「謙遜しなくていい。レックス嬢がとても賢いことは皆も承知の上だ」


 会議が始まる。


 私の頭ではとても理解出来ない。ホルン先輩は大人顔負けの博識で議論している。


 本当に私はなぜここにいるの?


 口を挟む余地もない。


 真剣な会議の最中にお腹が盛大に鳴った。


「ご、ごめんなさい!」


 不可抗力だよこれは。朝ご飯食べてなかったから。


 穴があったら入りたい!!


 盛大に笑ってくれさえすれば私も救われる。お父様を恐れて沈黙を貫くことに命を懸けている。


「レックス嬢は朝食はまだなのか。私と同じだな。良ければ後で用意させよう」


 お父様に負けない力を持ったヴィザがフォローに入ってくれた。まさに国民のための王様。


 さりげなく朝食に誘ってきているのは目を瞑る。


「何を言っているのですか父上。召し上がっておられたではないですか」


 ヴィザの温情を一瞬にして無駄にした。


 失言であることに気付いたのはホルン先輩が笑ったとき。


「貴殿はとても女性から人気があったと聞いていたが、一体どこに惹かれたのか僕には見当がつかない」


 遠回しに「考えてものを言え」と脅している。


 一見、のほほんとしているホルン先輩は誰かを守ろうとするときは男らしい。


 カァッと顔を真っ赤にしては俯く。考えて喋らないから恥をかく。


「僕は本当に食べてないんだ。レックスが来ると聞いて一緒に食べたいと思っていたから。いいですよねファーラン公爵」

「ユーリくんの息子だ。断る理由がない」


 ほんとお父様って家族には優しいな。というか甘い。


 私のお腹がまた鳴らないようにクッキーをもらった。


 中断された会議は再開され、それぞれの意見が飛び交う。


 一時間もすれば終わりが見えてきた。それぞれの議題に解決策が浮かぶ。


 優秀な人材が集まり、無能な人間が退くだけで全てがスムースに進む。


「レックス嬢は何かあるかな?」


 油断した。最後の最後に矢が飛んできた。


 解散の雰囲気出てたじゃん。


 何かと問われても何もない。ボーっと座ってただけだよ?


 クッキー美味しかったです、じゃダメだよね。


 何か言わないとファーラン家の名に泥を塗る。


 議題になるようなこと。えーっと……。そうだ!!


「学園に新しい学科を作るのはどうでしょう」

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