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気になる人

「もうやめ!あんな男の話なんか。そ・れ・よ・り。みんな好きな人とかいないの?」


 空気が暗くならないように明るい話題が振られた。


 助け舟を出した自覚はなくシュリーが気になっているだけ。


 ソフラは言葉を詰まらせながらも、告白されたと。しかも相手はルカ。


 あの男は人の友達にまで手を出そうとしてるのか。

 私だけじゃなくルーナまで怒りに燃えていた。


 賢いソフラは返事を保留にしている。前科者はなるべく刺激しないほうがいい。


 もしソフラを使って何かをしようとしてるなら絶対に許さない。


 仕返しなら直接を私を狙えばいいじゃないの。

 少しは変わったと信じた私がバカだった。


「あのー?お二人が思ってるようなことじゃないですよ?」

「どういうこと?」

「それがですね……」


 聞けばなんと、あのルカがいじめにあっていたらしい。


 記録用魔道具は学園内のみの設置。数の問題もあるけど、あれはあくまでもオーシャン王国の物。

 同盟も結んでいない国のために出来ることは多くはない。


 それを補うための調査団でもある。


 私の卒業と共に全ての魔道具は撤去するらしいけど。


 報告しないのは脅されているからではなくルカの意志。

 これまで散々、好き勝手やってきた報いは受けると言った。


 そんなルカをソフラが庇ったのだ。それからなぜか好意を持たれてしまった。


 以前のルカは貴族ということもあり高価な物ばかりプレゼントしていた。そんなルカが花束を持って家に訪れたりもする。


 門前払いくらっているらしいけど。

 女たらしで有名だったからね。娘がターゲットになれば必死に遠ざけたくなるのが親の心情。


 そうよね。過去は変わらない。


 ルカは大勢の女の子をちょっかい出しまくっていた。態度を改めたところで、そんなすぐには信用出来ない。


 何よりの理由がファーラン家への侮辱。


 自分達も似たようなことはやってしまったといえ、過ちにも気付けず私への暴言。


 失われた時間は元には戻らない。


 ルカが同行した理由がわかった。心配だったんだ。ソフラのことが。


 王族に招かれているのだから滅多な事はないにしろ、慣れない土地に心細さを感じるかもしれない。


 リンに恋焦がれていたときにはそんな純情っぷりはなかった。


 ゲームキャラの彼らにシナリオや設定を回避するのは不可能。どう足掻いてもリンを好きになる運命。


 自身の想いで本当に好きな人を見つけたんだ。


 応援するにはあまりにも……私はルカを憎みすぎている。

 どんな謝罪も意味を成さない。


 忘れるわけがない。あの屈辱的な言葉を。


「あの人はレックスさんに酷いことをした。わかってはいるんです。でも……私の前にいるあの人はとても……」

「ソフラが好きになったのなら私達は何も言わないわ」

「好きだなんてそんな……!!変わったことは認めますけど」


 もしかしてルカが私を助けてくれるようになった理由って……。


 私はルカの恋を応援しない。認めない。絶対に。


 でも……邪魔もしない。


「人のばっか聞いてないでルーナちゃんはどうなのよ。愛しの彼に告白しないの?」

「な……っ!!なんっ……!!」

「好きな人いるんだ」

「あたしも誰かは知らないんどけど。助けてもらったのよね?その彼に」

「それって……」


 ルーナはアラン騎士団長が……?


「シュリーさん!!黙っててください!!」


 そうだよね。自分を笑う人から守ってくれたら好きになっちゃう。


 何となく続編のストーリーを理解した。


 ヒロインはルーナで攻略対象者はおそらく騎士。そこには当然アラン騎士団長もいて……。


 運命に抗ったところでモブの設定からは逃れられないのか。


 私は人生の主役にはなれない。


 諦めるべきなのだろうか。


 今ならまだ後悔しない。別の人を好きになればルーナを応援できる。


 実らない恋にしがみつくのはみっともない。

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