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第8話 邪神ロキとの遭遇

 武はディオーネに

「ま、魔神?邪神じゃなかったんですか??」

 と思わず聞いた。


「邪神もいるわ…さらに魔神もいるとは思わなかったわよ!」

 ミノタウロスが椅子から立ち上がり、ゆっくりと近づいている。


 ディオーネは二人に

「私一人でミノタウロスを相手するから、あなた達は先に邪神の所まで行って!」

 と言っている時に、ミノタウロスはディオーネに向かって斧を振りかざした。


 ディオーネは斧を避け、ミノタウロスに氷の魔法を放った。

「氷漬けになるがいい!」

ミノタウロスは無数の氷を斧で防いだ。


「師匠だけで大丈夫ですか!?」

 武は心配そうな顔をしている。


「私は地上最強の魔術師よ!一人でも大丈夫だから、早く二人で邪神の所まで行って!!私もすぐに追うから!」

 とディオーネは雷魔法の呪文を唱えた。


 ディオーネの杖の先から、強烈な雷がミノタウロスに放たれる。


 唯と武は左の壁に扉があるのを見つけた。

「唯、この扉に入ってみよう!」

 武が扉を開ける。

 二人が部屋に入ったその瞬間、別な部屋に飛ばされた。


 そこは、神殿の入り口の広間だった。


「えっ!?入り口に戻されたの!?」

 唯がキョロキョロと辺りを見回す。


「唯!上だ!!」

 武がと叫んだ。


 すると、広間の天井からゆっくりと背中に羽がはえた魔物が降りてきた。


「我は邪神ロキ…」


 身体が銀色に輝いており、余りの威圧感に二人ともたじろいだ。



 ディオーネは、ミノタウロスに雷の魔法を放ち動きが停止した隙に、その場を後にした。そして、二人が入って行った左の壁の扉を開け転移した。

 二人と同様に広間に転移されたが、そこには一人の人間が横たわっているだけであった。


 ディオーネが近づくと、それは虫の息の唯である。

 腹部から血が溢れ出している。


「唯っ!唯っ!しっかりして!!」

 ディオーネは、唯を抱き抱えた。


「師匠……た、たけるは?」

 唯は薄目を開け、やっと言葉を発した。


「ここにはいなかったわよ…たけるの事だからきっと無事よ……」

 ディオーネは、薬草を取り出し唯に薬草を食べさせようとしたが、口を開かなかった。


「……もう無理…………一瞬で終わったわ……」

 こと切れかかっている。


「唯、このままならあなたは魔物になってしまう……」

 (私が殺せば、何人も天界に行き魔物化を防ぐ事は出来るけれど……)


 唯に声をかけるも、もう返事はしなくなった。


「ごめんなさい…私を許して…」


 唯をそっと床に置いた。

 唯の顔にはディオーネの涙でいっぱいだった…

 ディオーネは決心した。


「短い間だったけど、ありがとう…唯」

 唯に火焔魔法をかけたのであった。

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