第9話 浮遊大陸
ディオーネと瑠依は、クウとゴーレムがいる宮廷の瑠依の部屋に向かった。
「瑠依、地図は部屋よね?」
「はい!」
二人は部屋に入り瑠依は地図をディオーネに渡した。
地図の右上に浮遊大陸がある。
「空に飛んだら、北東に向かって……魔界への入り口は中心にある塔だと思うから、到着したら直ぐに魔法陣を作成するのよ」
「はい、それで浮遊大陸には人間はいるのですか?」
「魔物の巣窟よ……だから、魔物と戦いながら魔法陣を作らないとならないわ」
「大丈夫よ!防御魔法があるから」
絵里が言った。
「準備してきたぞ!瑠依の方は?」
ルシアンが扉から声をかけてきた。
「準備O.Kです」
瑠依が返事した。
三人は王宮の外に出て、クウを大きくした。
瑠依とルシアン、ゴーレムがクウの背中に乗った。
「クウの速さなら、1時間で着けるから!」
ディオーネが言うと、瑠依は頷いた。
「クウ!行くよ!」
クウは空に羽ばたいた。
それを見送ったディオーネは、宮廷の自分の部屋に戻った。
瑠依達は地図を見ながら、浮遊大陸の場所を確認している。
「ん~と、あの大きな山がここだから………」
「地図は私が見るよ。瑠依は方角の確認をしてくれ」
ルシアンが瑠依に言った。
「はい」
瑠依はそういうと、地図をルシアンに渡した。
1時間後、空中に浮かぶ巨大な陸地が見えてきた。
浮遊大陸の上空に到達すると、人を拒むかのような凍てつく寒さと、あたり一面に雪原の景色が広がっていた。
「北東に向かっている時点で嫌な予感はしていたけど、流石にこの寒さは堪えるな…」
ルシアンは、ポツリと呟いた。
瑠依は塔を探していた。
「ディオーネ様は魔物の巣窟って言ってたけど、どこにも魔物は見当たらないな~」
「ここは浮遊大陸だから、下の世界と違って魔物も全く別な物かも知れない…」
ルシアンの言葉に瑠依は頷く。
「あっ!あれだ!!」
ルシアンが指をさした。
黒く巨大な塔が瑠依の目に飛び込んできた。
「不気味ですね……」
塔を見て瑠依は、背筋に悪寒が走った。
「うん…」
ルシアンは、真っ白い景色に浮かぶ真っ黒い巨大な塔が妙にアンバランスで余計不気味さを感じた。
黒い塔の周りを飛んでみたが、入り口らしきものは見当たらない。
「ケルベロスはどうやって入って行ったんだろう?」
瑠依は不思議に思った。
「ケルベロスは魔界の魔獣。簡単に入って行けるんじゃないだろうか~」
「とりあえず塔の近くで降りて、魔法陣を作りますね」
そういうとクウは塔の側に降りた。
瑠依達はクウから降りると、ゴーレムを巨大化した。
「ディオーネ様は魔法陣が出来たら、クウを送ってって言ってたけど、浮遊大陸に来る時間がこれだけかかるなら、魔法陣を作る前に先にクウに行ってもらうかな…」
そういうと瑠依は、クウをエゾシリアに向かわせた。
「ウガァァー!!」
どこからともなく叫び声が聞こえてきた。
「瑠依!この声は魔物の声だ!!早く魔法陣を作ってくれ!」
ルシアンは腰からスレイヤーソードを抜く。一匹、二匹と真っ白い狼のような魔物が現れた。
「フルバリアー!」
絵里が防御魔法を唱えた。
「瑠依、急いで!」
瑠依は頷きながら、魔法陣を作り始めた。




