第7話 ルシアンのお誘い
翌日の朝
瑠依は宮廷の自分の部屋でまだ寝ていた。
瑠依の布団をクウが引っ張っている。
「ケルベロス、まだ眠いよ…」
瑠依は寝惚けてる。
今度はクウと一緒にゴーレムも布団を引っ張った。
「ケルベロス、あと少し…」
瑠依は必死になって、布団にしがみついている。
「瑠依、誰か来た」
ゴーレムが瑠依に言った。
瑠依の部屋の扉を誰かがノックしている。
「あっ……ケルベロスいないんだった…」
瑠依はそう言いながらムクッと起きて、下着姿で扉を開けた。
「おはよう、瑠依……」
ルシアンだった。ルシアンは、瑠依の下着姿に釘付けになった。
「まだ、間に合ってますぅ~」
瑠依はそう言いながら扉を閉め、布団の中に戻った。
「瑠依!まだ寝惚けてるの!?王子だよ!第一王子だよ!」
絵里が怒った。
「えっ?やばっ」
瑠依は素早く起きてブレザーを着た。
「おはようございます」
瑠依は満面の笑みで扉を開けた。
「朝ご飯を一緒に食べようかと思って誘いに来たよ」
ルシアンは鼻血を押さえながら、まだ扉の前で待っていた。
「少し待って下さいね」
瑠依は部屋の中に戻って、顔を洗って歯を磨いて準備する。
「ルシアン様、どうしたんだろうね~?お母さん」
「わざわざ王宮から迎えにくるなんて、かなり好かれてるわね。ラインハルト様が帰ってきたら、取り合いね~」
「何が?」
「我が娘ながら、ルシアン様が気の毒になるわ…」
瑠依はクウとゴーレムを連れて、ルシアンと一緒に王宮へ向かった。
「サーガレストで伯爵になったんだってね、おめでとう」
歩きながらルシアンが言った。
「肩の荷が重いです」
二人はテーブルに着き、二人の前に侍女が次々食事を運んでくる。
「伯爵になったって事は、そのうちサーガレストに住むのかい?」
ルシアンは瑠依に食事を勧めながら尋ねた。
「今の所はサーガレストで住む事は考えてないですけど、領民もいるのでたまには戻ります」
瑠依は食事しながら答えた。
「領民がいるなら、誰か管理しなきゃならないだろう?」
ルシアンも食事しながら聞いた。
「サーガレストの女性の僧侶の方にお任せしています……王族の方たちの食事美味しいですね」
「今日は特別だよ。瑠依、サーガレストでラインハルトと少し居たよね?」
「はい、もちろんです」
「……ラインハルトって、女性から見てどう思う?」
「あの強さであのイケメン、あの優しさ……最強でしょうね~」
「そうか……そろそろラインハルトが帰ってくるね」
「乗り物に乗って帰ってくるってディオーネ様が……ご馳走様でした!」
瑠依は食事を全て平らげた。
「瑠依、これから……」
「これからディオーネ様から、転移魔法を教えてもらいます。ルシアン様、お誘いありがとうございました」
瑠依はそう言うと、椅子から立ち上がり食堂から出ようとした。
「瑠依、また誘っても……」
ルシアンは立ち上がり、瑠依を呼び止め聞いた。
「いいですよ」
瑠依は振り返り笑顔で答えて去っていった。
「可愛過ぎる……」
ルシアンは呟きながら、去っていく瑠依の後ろ姿を見つめていた。




