第5話 バーデンの行方
瑠依と勇治はディオーネと共に、シャルル19世の王室に来た。
「二人ともご苦労であった。謝礼の金は二人分用意してある。受け取るがいい」
シャルル19世は、側近に命令した。
「シャルル19世……私と勇治の謝礼金は、女王ミレーユにお渡ししてもらってもよろしいでしょうか?」
瑠依はシャルル19世に進言した。
それを聞いて勇治は驚いた表情をしている。
「それは構わないが、本当にいいのじゃな?」
「はい、お願いします。勇治もいいよね?」
勇治はそう言われると、間を置いて首を縦に振った。
「うむ、分かった。ラインハルトからの連絡で、この国に魔神が襲ってくると。二人ともまた力を貸して貰えるだろうか?」
「はい」
二人同時に返事した。
「それとディオーネ……バーデンが人体実験をしていたと…その人体実験をされた者をそなたがサーガレストに逃したというのは真か?」
「はい…シャルル19世…」
「何故、バーデンが人体実験していた事を言わぬ?」
「あんな人物でも我が国にとっては大事な戦力。処分されてはと思い……申し訳ありません……」
ディオーネがシャルル19世に頭を下げた。
「そなた、バーデンとあれほど仲が悪いのに……ディオーネ、優し過ぎるぞ……今、バーデンの捜索をしているが、国中探しても全く見付からないのじゃ。分かり次第、連絡するがそなた達も何か情報入ったら教えてくれ」
「了解致しました。シャルル19世」
ディオーネが答えた。
「瑠依、勇治。ラインハルトを助けてくれてありがとう」
部屋の隅にいたソフィが二人に近づき言った。
「いえいえ、私もラインハルト様に助けてもらったのでお互い様です」
「このお礼はいつか必ず返します。いつか必ず…」
ソフィが瑠依の手を握りながら言った。
「ありがとうございます」
「ディオーネ、ラインハルト達は魔神が来るまでに間に合うのか?」
シャルル19世はディオーネに尋ねた。
「転生の玉で剣士と一緒にある生き物も送ったので、剣士達がラインハルト様達を追いかけて渡したと思います。ですのであと2、3日で帰国されると思います」
「さすが気が利くな!」
「この子達も疲れているでしょうから、宮廷に戻ります。またいつ魔物達も襲来してくるかわかりませんので…」
そう言うとディオーネと瑠依と勇治は王室から出て行った。
「ソフィよ…」
「何です?お父様」
「ディオーネ、あまり元気じゃなさそうなんだが…」
「疲れているんじゃ?」
「うーむ」
シャルル19世は、一言言ったきり押し黙った。




