第6話 裏切り
「ここを封印した魔術師も、こんな大蛇を転移させなくてもいいのにね!」
エクシリアは瑠依にそう言いながら剣を構えた。
絵里は、小声で瑠依に言った。
「隅に魔石が落ちているわ」
「お母さん、魔石なんて小さいから何処にあるかわかんないよ!」
瑠依は、つい大声を出してしまった。
「シャャッーー!」
大蛇は異様な音を発しながら、口を大きく開けながら、ルシアン達に襲いかかってきた。
エクシリアが大蛇の胴体部分に切りかかっていく。
ルシアンは、襲いかかってきた大蛇の顔面を斬りつける。
「瑠依よ、雷の矢で目を狙え」
ケルベロスはそう言いながら、大蛇のしっぽに襲いかかった。
「わかったよ、ケルベロス!」
瑠依はそう言いながら、雷の矢を大蛇の目を狙って何本も打ち込むと片眼が潰れた。
ケルベロスは大蛇のしっぽに噛みつくと、しっぽを引きちぎった。
大蛇はさらに暴れだす。
「瑠依ねぇ!あの男が!」
杖を掲げて周囲を光で照らしている勇治が叫んだ。
「瑠依!魔石を持って行かれたわよ!」
絵里も叫んだ。
瑠依が振り返ると、ヒューストンは広間を出て通路を走っていた。
「魔石を返せ!!」
瑠依も叫んだ。
瑠依の側にいたクウが、ヒューストンを追って行く。
「クウ…」
(ここはクウに託すしかないわ)
瑠依は、そう思いながらもう片方の目をめがけて雷の矢を打ち込んだ。
「大蛇の皮膚が堅くて、あまりダメージを与えれないわ!」
エクシリアは、大蛇を斬りつけながら叫んだ。
「瑠依!ゴーレムを元に戻すわよ!」
絵里がそう言うと、ゴーレムが元の大きさに戻った。
「ゴーレム!大蛇をやっつけて!」
瑠依がゴーレムに命ずる。
ゴーレムは、大蛇の首を締め付ける。
大蛇はさらに異様な音を発し、胴体をゴーレムの体に巻き付けた。
「ゴーレム!」
瑠依が叫んだ。
「このままでは全滅だ…仕方ない…」
ルシアンは、そう呟くとスレイヤーソードに解放の指輪を当てる。
「スレイヤーソード、その力を解放せよ!」
スレイヤーソードの刀身が炎に包まれた。
「いくぞ!!大蛇め!!」
ルシアンは、炎に纏ったスレイヤーソードで大蛇に切りかかる。
「ギギギギギギィーー!!」
大蛇は蠢き、ゴーレムの体から落ちた。
大蛇の体から、焼け焦げた臭いがする。
ルシアンは苦悶の表情を浮かべながら、何度も大蛇を斬りつける。
「後は任せてくれ」
ゴーレムがそう言うと、弱りきった大蛇の首を持ち上げ、胴体から引きちぎった。
ゴーレムは大蛇を地面に落とすと、動かなくなっていた。
スレイヤーソードは、元の剣に戻っている。
「やったー!ルシアン様!」
瑠依が喜んでいる。
エクシリアはルシアンの側に行った。
「大丈夫ですか?ルシアン様…」
ルシアンの両手が炎で焼けただれていた。
「もうしばらくは剣を握れないだろうな…」
ルシアンは、両手を見ながらエクシリアに言った。
ルシアンの両手が光出した。
「私に任せて下さい」
絵里は、ルシアンに治癒魔法をかけていた。
すると、両手の火傷が治癒した。
「おおっ!すまぬ」
ルシアンは、絵里に感謝した。
「ヒューストンが魔石を持って行ったけど、クウが付いて行ったわ。ケルベロス?クウの魔力を感じる?」
瑠依がケルベロスに聞いた。
「あまり離れていなければじゃが…」
「わかったわ!それじゃ、直ぐに地上に戻ろう!」
瑠依は杖でゴーレムを小さくした。
一行はダンジョンから脱出した。




