95話・俺のクラスメイト震撼する
「...とまぁ、こんな感じの魔法で作った代物なんだよ!」
「へぇ...脳内で喋っていた事を具現化できる魔法か...それは中々便利な
魔法だね!ん...?それじゃ、ま、まさかと思うけど、私の脳内記憶も
バッチリ記録されているんじゃっ!?」
ふと自分の脳内を記録されているんじゃ...っと、気づいたナナが、
目をパチクリさせて動揺している。
「なにぃぃっ!脳内の記憶を取る魔法だと!?」
「や、やべ...俺のエロエロに満ちている脳内も、記憶されている
可能性があるのか!?」
「嘘ぉぉ!お、俺の恥ずかしい想像物語も、全部丸見えなのかっ!?」
「ヤ、ヤベェェ...俺の脳内、おっぱい、おっぱい、連呼も筒抜けだと
いうのか!?」
ナナとラールの会話を聞いた男子生徒達が、その事実に心臓をドキドキ、
バクバクと鳴らし、動揺を隠せないでいた。
「心の声を記憶する...これは結構ヤバヤバだよね...。って事は、
私のコウ君、手込め計画もラール君には全部お見通しなのか......」
「ちょ、手込めって...!あんた、何て事を考えているの!?」
「はう...それじゃ、私のコウ君へのチラリズム攻撃も丸バレ...なの!?」
「チラッて...あんたは、あんたで何をやってんのよ...。ま、私も乳揺らし
作戦をしかけているけどね...」
「ぐぬぬぬ...お、己...!胸が大きいからって、調子に乗りやがって...」
女子生徒達は女子生徒達で、自分達の考えを記憶されている前提で
キャーキャーと話に花を咲かせている。
「ふ...しかし女子の脳内を覗くとは...中々、やるじゃねぇか...ラール。
イヤさ、ラール様!是非、師匠と呼ばせて下さい!」
「覗いてないから...だから、師匠はやめてね、イソヒ君...」
「でも、ラール君がこんなにムッツリスケベだったなんて...私、軽い
ショックだよ~!」
「女子も女子でボクの事を信用して欲しいな...。これでも一応、1年生
男子のトップエースなんだから、その名に誓って悪用しないから!」
ざわざわ、ガヤガヤと騒いでいるクラスのみんなに、ラールが困惑な
表情で、必死に無実を訴える。
「ま、確かにラールの奴がそんな事をするわけないか......」
「だよね。基本、ラール君ってド真面目屋さんだしね♪」
クラスメイトがラールの性格を思い出すと、悪用はないなっと
総意する。
「ありがとう、みんな。その基本を裏切らないよう、努力するね♪」
みんなの笑顔を見てラールは安堵したのか、困惑していた表情が
にこやかな表情へと変わっていく。
そんなラールの横で、ナナが困惑な顔をしていた...。
「ま、まさか...まだコーの事を諦めていない連中がこんなにいただなんて...
ふう...しょうがない。ここは思いきって、全てを亡きモノに......」
「はは...亡きモノはやめておこうね、ナナちゃん。それに一応、ボクが
恋人なんだからさ、コウ君の事でやきもちもやめようね♪」
ナナがコウの事でブツブツ呟いていると、ラールが苦笑を浮かべながら
やめるよう、柔らかい口調で釘を刺してくる。
「え!?も、勿論、それはわかってるって、ラール君!第一、私は別に
コーの事なんて考が......イッッ!?」
「ん!どうしたんだい、ナナちゃん!?いきなり頭を抑えて?もしかして
頭がいたいの?」
突如、頭を抑えて地面に膝を突くナナに、ラールが慌てて近づくと、
心配の顔色を見せている。
「ううん、大丈夫...何でもないよ、何でも...。ちょっと旅で疲れただけ
だから!」
心配するラールに、ナナが頭を抑えながらニガ笑いをこぼして返事を
返すのだった。




