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93話・俺の幼馴染の心、バレバレ


「ふん...そんなに否定をすんなよ、その態度でバレバレだぜ!」


「バレバレでゲス!」


「バレバレでヤンス!」


ナナの必死な否定にも関わらず、ムゲとその手下がそれを更に否定して

くる。


「ならよ、丁度いいじゃねぇか!俺様がカノンとつき合う、あの野郎と

お前がつき合う...。まさに無駄のない、完璧な関係じゃねえか!」


ムゲが人差し指を、自分とナナへ交互に突きつけながら、キモい笑みを

見せてくる。


「ふん...おあいにく様だけど、私にはお付き合いしている立派な人が

もういるんです!」


既に恋人のラールがいるナナだったので、ムゲの誘いをきっぱりと断って

甘い誘惑には乗ってこなかった。


「恋人がいる?それがどうしたって言うんだ!昔と違って、今は普通に

一妻多夫ができるこの世だぞ?なら、二人目がいて何の問題があるって

いうんだ!」


しかしムゲは、この世界は多数の妻や夫をめとる事ができるじゃねぇかと

反論を述べてくる。


「残念だけど、私はそんなふしだらなおつき合いはしたくないの!

おつき合いをするなら、私だけを見ていて欲しいの、私だけをねっ!」


ムゲの正論に対し、ナナが少し動揺を見せつつも、自分の確固たる決意を

口にしてその正論を否定する。


「ハァ...つまらん女だな、お前。トップエースと言う割には、所詮考え方は

平民の人間という事か...」


ナナがクソ真面目な異性とのおつき合い論を聞いたムゲが、やれやれといった

ポーズを取って、呆れかえる。


チッ...役に立たねぇ女だぜ...


こいつを餌に、カノンとあいつを別れさせる計画だったのによ...。


そして、あの1年のガキのもうひとりの女とこの女を、金と地位と

血族の力を使い、うまく手懐けて全部俺様の女にして...


その後ゲラゲラと見下しながら、あの1年のガキを嘲笑ってやるつもり

だったのによ...


全部おじゃんじゃねぇか、クソがっ!!


なら、多少強引にいくか...?レッド貴族のパパの力を以てすれば、

この学園に見つからず、事を運ぶことができるだろうしな!


そうだ...それがいい...。早速、パパに連絡をして...


『あいにく、それは無理な連絡だと思うよ、先輩!』


「な、何だ、この声はっ!?誰だ!誰が俺様の心に語ってきて

やがるんだっ!?」


誰かの声がいきなり心の中に聞こえてきたムゲが、喫驚しながら

周囲をキョロキョロと見渡す。


「どこを見ているんですか、先輩。ここですよ...ここ!」


「な、後ろ――ハギャンッ!ウギャンッ!!ノヴャアアアァァ――......」


後ろからちょんちょんと誰かが肩を叩いてくるので、慌ててムゲが

振り向くとその瞬間、思いっきり顔面を殴られる!


そして床を弾む様に数回バウンドすると、その勢いのまま窓から

落ちていった!


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