表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/237

89話・俺のクラスメイトが、2年生を窘める


「コウ・ラーディスはいるかぁぁぁぁ―――っ!!」


突如、コウのクラスに乗り込んできたムゲが、教室中に響き渡る

大声を荒らげて、コウの事を探している。


「ん...誰だ、お前?いきなり教室に入って来たかと思えば、そんな

大声を出して?」


コウの名前を荒らげているムゲに、クラスの男子生徒のひとり...

イソヒがイラッとしながら、問いかける。


「んだと、クソ1年が!2年生であるこのムゲ様に対し、何をそんな

生意気な口を聞いていやがる!ぶっ潰すぞ、ゴラァァァッ!」


ムゲもイソヒの態度にイラッっとして、威圧感タップリの叫声で

文句の言葉を吐いてくる。


「2年生ねぇ...。で、その2年生様がコウに何の用があるっていうん

ですか?」


相手が2年生と聞いたイソヒが、一応敬意を払い、敬語を含めた言葉で

ムゲとの会話を続ける。


「それをお前に教える必要はねぇだろうが!四の五のはいいから、

さっさとあいつがどこにいるか、場所を教えろやっ!」


「そうだでヤンスよ、一年坊!さっさと教えないと、ムゲ様の...

レッド貴族の怒りを買う事になるでヤンスよ!」


横にいたムゲの手下が更に追い打ちをかける様に、ムゲが誰なのかを

教えてくる。


「レッド貴族...?でもそれって、あなたの力じゃなく、親の力っしょ?」


イソヒの後ろでムゲとの会話を聞いていた女子生徒が、ハテナ顔をしている。


「そ、それなのに、自分の力と勘違いしちゃって...こいつ、滑稽過ぎで

笑っちゃうんですけど、くくく♪」


「滑稽というか、馬鹿丸出しだよねぇ...うぷぷっ!」


「おいおい、そんなに笑ってやるなよ、だって、このお方は畏れ多くも

レッド貴族様...なんだぞ...うくく、ああ、やっぱ駄目だ!俺も笑いを

抑えるの限界だぁ...あはははっは!」


イソヒとムゲ達との会話を聞いていたクラスメイトの男女が、ムゲの

あまりの坊っちゃんぶりに、笑いを必死に堪えながら会話をする。


「お、おのれぇぇぇっ!あの1年坊もふざけた野郎と思ったが、ここの連中も

同じくらいに虫酸が走る、アホ丸出しなクラスだなぁぁっ!」


とことん、自分を馬鹿にしてくるコウのクラスメイト達に怒髪天なムゲが、

ボキャブラリーのまるでない返しの言葉で、懸命に罵ってくる。


「アホ丸出しはあんただよ、あ・ん・た・っ!」


「そうそう...大体、忘れているんじゃない?この学園にて家柄の圧力を

かける行為は全面的に禁止行為だって事をさ!」


「これはこの学園のスポンサーであるランスロッドが決めたルール...」


「つまり、そのルールを破る行為...特に貴族が破るという事は、トップに牙を

向けたの同じなんだけど?」


「その意味...わかってるのかな、ブタ野郎さん?」


ムゲ達のアホさ加減にうんざりな女子達が、人差し指をビシッと突きつけて、

蔑んだ表情や憐憫な表情を、向けられるムゲ達だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ