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87話・俺の前に現れた2年生


ここは学園内にある図書室......



俺はこの図書室で、魔法の本...回復系の載っている本を何冊か

チョイスし、それをマスターするが為、必死になってその本の

内容を覚えていた。


「くう...やっぱ、いちから回復魔法を覚えるのって...結構、

難しいんだな...」


でもこの前のクエストみたいな事にはもうなりたくないから、

頑張って覚えなきゃな!


俺がそう意気込んで本の内容を覚えようと、躍起になって

いると......


「おい、そこの一年坊っ!」


突如、ガラの悪そうな声が、図書室の出入り口の方から聞こえてくる。


「お前が...1年のコウ・ラーディスかっ?」


いきなり現れたそのガラの悪い小太りな男が、威圧感タップリな態度で

コウに名前の確認をしてくる。


「いいえ、違いますよ!」


何やら面倒くさい連中みたいだったので、そんな奴らと関わるつもり等

毛頭ない俺は、丁重に去ってもらう為に嘘を口にする。


「嘘をつけ!貴様みたいに目立っている奴を、見間違えるわけないでヤンス!

貴様!俺達2年生を舐めてるんでヤンスか!」


威圧をかけてきた小太りな男の横にいる、如何にも腰巾着な男が、

俺の嘘に苛立って怒っていた。


「2年生ね...。それでその2年生の貴方達が、1年生の俺に何の用ですか?」


「ふん...単刀直入に言う、お前の彼女...カノン・バイッシュと今すぐ別れろ!

言っておくがこれは頼みじゃない、命令だ!」


ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべる小太りな男が、コウに向かって人差し指を

突きつけると、命令口調でそう述べてくる。


「はぁ...?」


いきなり現れたかと思えば、何をワケのわからん事を、突然言い出すの、

この醜いブタは?


しかも俺が、自分の言う事を聞いて当たり前って面で、なんか戯れ言を

述べているけど...?


「ケケケ...1年坊は黙って2年生の言うことを聞いてよぉ、ちゃっちゃと

ムゲ様へカノンを手渡せばいいんでゲスよ!」


「そうそう...。大体、貴様程度の男にカノンは似合わねでヤンスよ。

あの女に似合うには、レッド貴族を親を持つ、このムゲ様を以て、

他に無しでヤンス!」


コウが小太りな男の発言に呆れていると、小太りの男の左右にいる二人の

手下どもが、蔑む様な目線でコウの事を見下ながらそう述べてくる。


レッド貴族......。


レッド貴族って4強貴族の1つで、確か...カノン先輩の父親と同格の

騎士貴族だっけ?


「ふん...なんだ貴様?レッド貴族と聞いて恐れ戦いたのか?ククク、

だったらさっさとカノンの所へ行って、別れてこいやぁぁっ!」


考え事をしているコウを恐れていると勘違いしたムゲが、下卑た笑いを

しながら、無茶な命令をしてくる。


「お...そうだ、そうだ!確かこいつ...平民風情の癖に、もうひとり女が

いたんだよな?」


ムゲが命令を出した後、ふとその事を思い出し、手下にクーナの情報を

聞いてくる。


「はい...あっしらの調べでは同じ組の奴で、名前をクーナと言うでヤンス!」


「ふふ、クーナねぇ...。んじゃそいつとも別れて、その女も俺様へ献上しな!

俺様が飽きるまでは、たっぷりと可愛がってがってやるからよ、くくく!」


何を考えているか丸わかりな表情のムゲが、ニヤニヤしながらコウに対し、

更なる無茶な命令をしてくるのだった。


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