82話・俺は見る、2年トップエースの実力を!
「では...カノン・バイッシュ......推して参る!」
静かにそう呟くと、カノンがポイズンベアに突進する!
「グルル......ギャワァァァァァ―――ッ!!」
ポイズンベアがその攻撃へ反撃する為に大きく口を開けて、カノンに
向かって魔獣の咆哮を叫ぶ!
『甘い!奥義!螺旋斬断波ッ!』
カノンが奥義・螺旋斬断波を発動させると、螺旋状のカマイタチが現れ、
カノンの身体の回りをグルグルと包み込む様に回っている!
そしてその螺旋のカマイタチをドリル状にして突進し、魔獣の咆哮の中を
駆ける様に突き進んで行く!
「ふ...ちゃちな雄叫びだったな...。では、お前のその邪魔な口を封じさせて
もらうとするか...!」
魔獣の咆哮を斬り裂いて、ポイズンベアの前に立ったカノンが、魔法を
唱える準備に入る!
『ふ...相手を包み込め!コールド・ベェェェェ――ルッ!』
「――ッ!!」
ポイズンベアが意表を突かれて動けない隙を狙って、カノンが氷魔法を
速攻で詠唱し、ポイズンベアの口を氷の幕で包み込む!
「おっと...何を呆けている...私の攻撃はまだ終わってはいないぞ...
うりゃぁぁぁ―――っ!」
「―――ッ!!」
間を入れず、直ぐさま槍を振りかぶって、しならせながらポイズンベアの
脳天に叩き込む!
「お次は脇腹ぁぁ!」
「―――ッ!?」
「みぞうちぃぃ!スネ撃ちぃぃぃ!そして...急所撃ちぃぃぃっ!!
「―――ッッッ!!!!!!」
カノンが拳をポイズンベアの脇腹へ叩き込み、即座に身体を回転させ
肘をみぞうちに...続けて素早くしゃがみ込んでスネを蹴りあげ...
ガクッと崩れ落ちてきた所へ、思いっきり槍で股間を叩き潰し、そのまま
下から上へと打ち上げる!
「これで...とどめ...!」
『眠れ、氷の墓標に!コールドランス・セメタリィィィ―――ッ!!』
打ち上げられ空中を舞っているポイズンベアに向けて、カノンがギフト技、
氷魔法を詠唱すると、地面から物凄く巨大な氷の槍が突き出てきた!
「――――ッ!!!?」
そしてその氷の槍がポイズンベアに直撃すると、一瞬で氷の槍の中に
ポイズンベアが閉じ込められる!
「ふ...これにて砕けて、氷の粒になれ...」
『究極奥義!乱舞・爆裂水氷激ッ!!』
カノンがギフト技...究極奥義・乱舞爆裂水氷激の名を叫んで発動させると、
無数の氷の結晶がカノンの得意武器、白銀の槍にコーティングされていく...
「唸れ...我が最強の槍...白銀の槍よっ!ハアアアア―――ッ!」
白銀の槍をポイズンベアへ向けて突きつけると、カノンが大地を蹴りあげ、
物凄いスピードでポイズンベア目掛けて飛んで行く!
更にその身体を先程の螺旋ドリルよりも速くグルグルと回転させて
スピードを加速させると、空気中が轟音を響かせる!
そしてカノンが氷づけのポイズンベアへ、閃光の如く速さで突っ込むと、
ポイズンベアごと氷の槍を砕き貫いて、反対側へ突き抜ける!
「ふ...これで終いだ...爆砕しろ、ポイズンベアッ!」
カノンが左手を天に突き上げて指をパチンッと鳴らすと、先程貫いた
箇所から爆裂波動が巻き起こり、氷の槍が粉々に砕けて爆砕する!
そしてポイズンベア共々粉々に爆砕された氷の槍が、氷の粒に変わって
地上へと降り注がれていく......。




