表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/237

79話・俺とクーナさんの底辺コンビ


「えっ!?うわぁぁぁぁぁぁ―――っ!?」


クーナさんの叫声に反応した瞬間、後ろから物凄い雄叫びが聞こえてきて、

その衝撃にクーナさん共々、吹っ飛ばされる!


「チィィィッ!ク、クーナさんは守らないとっ!?」


俺は吹っ飛ばさながらもクーナさんを守る為、身体を包み込む様に

抱きしめる。


「グハッ!?」


そしてその勢いのまま、巨木に叩きつけられた!


「うぐぐ......ゆ、油断した。い、今のは魔獣の咆哮...ううっ!」


俺はポイズンベアの魔獣の咆哮でダメージ受けると、目の前が

クラクラしてしまう。


「コ、コウ君!?だ、大丈夫ですか!?」


「あ、うん...お、俺は大丈夫...。ちょっと腰を軽く打っただけだから...」


心配そうな顔をして俺の所に駆け寄ってくるクーナさんに、俺は少しだけ

やせ我慢をしてみせる。


「し、しかし参ったね...。後もうちょっとで森から出られそう

だったのに...」


そうしたら、転送装置で一気に学園に帰る事ができるのにさ...。



学園が運営するこういうクエストを行う場所には、安全を期する為に

学園へ転送できる装置が、出入り付近に配備されているのだ。


ただし、この装置はあくまでも、急を要するに時のみしか使っちゃ

いけない...


急を要しない時に使用すると、けっこう大きいペナルティを食らう。



「さて...こうなっちゃ仕方がない、覚悟を決めるか...」


ブースター効果は後もうちょっと続いてくれそうだし...クーナさんを

逃がすくらいまでは持ってくれるだろう......。


「クーナさん、俺はここはポイズンベアを食いとめるからさ、クーナさんは

カノン先輩に救援を頼む様に伝えて来てよ!」


「え、何を言っているんですか!そ、そんなの嫌に決まっているでしょう!

コウ君を置いてぼりなんて...できる訳がないじゃありませんか!」


コウの頼み事に真剣な面持ちなクーナが、怒る様にコウを窘めてくる。


「もし...それでコウ君になにかあったら、私は悔やんで悔やみきれませんよ!

カノン先輩にだって、顔向けができません!」


「クーナさん......」


「だ、だから...ここは私達二人で隙を作りましょう...きっとできますよ!

だって私達は底辺コンビ...されど、最高の彼氏と彼女の間柄なんだから...

そうでしょう、コウ君!」


自信満々にニコッと微笑むクーナのその瞳には、一歩も引かないという決意で

メラメラと燃えていた。


「底辺コンビ...されど、最高の彼氏と彼女か...。はは...はは......そうだね、

クーナさんの言う通りだ!俺は底辺なる最高コンビだ!」


俺のこの言葉にクーナさんが、ニコッと微笑んで首を縦に振る。


「それじゃ、俺とクーナさんのコンビネーションであの熊野郎をぶちのめし、

スキップしながら、この森を二人で出ようか!」


「ふふ...はい!」


優しく微笑んだコウの差し出す手に、クーナが満面の笑みを浮かべると、

ギュッとその手に取った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ