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61話・俺の心の叫び


ざわざわ...ガヤガヤ...


「き、聞いたか、今のカノンさんの言葉...!?」


「ああ...にわかには信じられない単語が俺の耳に聞こえてきた...

確か、彼...彼...彼氏とかっ!」


カノンの言葉を信じたくないひとりの男子生徒が、彼氏と言う単語を

口にするのを躊躇うが、なんとか捻り出した。


「お前にも、そう聞こえてたか...」


「ぬのおおぉぉ!?やっぱりか、やっぱりそうなのか!カノンさんは彼氏と

言っていたのかぁぁ―――っ!?」


口に出してはみたものの、やはり真実だとわかった男生徒のひとりが、

頭を抱え悶絶して苦しんでいる。


「ねぇ...聞いた、今のカノン先輩の言葉...」


「うん、聞いた聞いた。それにあのカノン先輩の恍惚な表情...」


「あの表情を見るに、あの子が慕っていた訳じゃなく...」


「ええ...カノン先輩の方が、あの子を慕っているって事なのよね...」


「でも、あの子そんなに凄い子なのかな?トップエースに振られた後、

トップエースとつき合うだなんて...!?」


「そう言えば、そうだよね...。も、もしかしてあの子、優良物件!?」


多数の女子生徒達がコウの事を、頬を軽く染めてジッと見つめる。


うわわ...さっきより更に凄い視線をして、こっちをめっちゃみんなが

見てきてるっ!?


そりゃそうだろうさ。だって、あのカノンが彼氏って言ったんだもん…


今日び、俺だって自分の事じゃなかったら、注目しちゃうって言うの!


と、とにかく、厄介事が起こる前に、急いでクエストを決めちゃおうっ!


内容は...ランクさえ合えば、適当でいいだろう......よし、これだっ!


俺は自分のランクにあるクエスト依頼書を剥ぎ取って、早急に受付へ

持っていく。


「あの...このクエストをお願いします!」


俺はそう言うと、受付のお姉さんのテーブル前へ剥ぎ取ったクエストの

依頼書をソーッと置いた。


「はいはい~このクエストを受けるんですね♪」


受付のお姉さんが、屈託のない微笑みでテーブルに置いたクエストの

依頼書を手に取った。


「え...と、何々...依頼内容は...ポイズンベアを3匹退治の...討伐クエストで、

場所は...月光の森。報酬は...金貨1枚...ですね♪」


「へ...!ポ、ポイズンベア!?」


今、受付のお姉さん...ポイズンベアって言わなかった!?


「ではでは、受理してきますので、しばらくそこでお待ち下さいねぇ~!」


「ちょっと、待ってぇぇ―――っ!やっぱ、そのクエ――」


俺の声が最後まで届く前に、軽い足取りで受付のお姉さんが奥の部屋へ

入って行くのだった。


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