58話・俺の告白を聞いたクラスの反応
「ん...授業を始めるベルの音が鳴っているな...。ふう...仕方がない。
コウの愛の告白は、もっとロマンチックな場所で二人っきりの時にでも
沢山言ってもらうとするか...」
カノンが述べると、コウの机に置いていたマジカルポーチを手に取る。
「では、コウ、クーナちゃん、私はこの辺で...失礼!」
そしてコウとクーナに向けてビシッと手を上げると、カノンが早足で
クラスを後にするのだった。
「はは...カノン先輩、こんな状況なのに相変わらずマイペースだよな...」
「ですね...」
あっさりとした感じでクラスを出ていくカノンの姿を見て、コウとクーナが
顔を見合せながらニガ笑いをこぼす。
「...参ったね、これ」
「うん、まさかクーナさんもコウ君の彼女だったとは...」
「だったら、さっき言ってくれたら良かったのに...」
「まぁ...あんな聞かれ方をすれば、ハイとは言いにくいか...」
先程クーナに近づいてきたオークとキングゴブリンと呼ばれていた
二人の女子生徒が、自分の行動に反省の色を見せている。
「しかしカノン先輩に続き、クーナさんもコウの恋人か...」
「二人の彼女だと...!ぐぬぬ...己~!羨ましい...羨ましいぞ、コウさんよっ!」
「でもナナに振られた後に、まさか二人の彼女...そのひとりがカノン先輩とは...
ビックリするにも程があるな...」
男子生徒達もコウの事に関して、それぞれの思いの丈がドンドン口から溢れ出し
てくる。
「しかし、これは弱ったな...」
「ええ、そうだね...」
「この後、みんなでコウの奴をからかう予定だったのに、先程のクーナさんの件を
見るに限り...」
「うん、それをやったら多分...いや、確実にカノン先輩から嫌われてしまい
そうだよね...」
さっきのシリアス展開を見た後では、流石のクラスメイト達もコウ達の事を
からかう気にはなれなかった。
「なら、俺のこの怒りを一体どこにぶつけたらいいのだぁぁっ!」
「そうだ!そうだ!」
「私もコウ君とイチャイチャしたいぞぉぉ!...の、この私の気持ちもだよっ!」
「そうよ!そうよ!」
コウ達のイチャイチャをからかえないという、このジレンマにムキムキする
クラスメイトが、怒りを押さえる為に地団駄を踏んでいる。
「では、こう言うのはどうだろう?カノン先輩の初めての手作りお弁当を、
コウの奴にひと粒も食べさず、俺達だけで全て平らげると言うのは?」
「はっ!」
「なっ!?」
「「おお!それ、採用なっ!!」」
「ついでにクーナさんの手作りお弁当もいっとく?」
「「うむ!それも採用なっ!!」」
その瞬間、シンクロしたかのようにクラスメイトのみんなの意見が
揃うのだった。




