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54話・俺の彼女、クーナの気持ちその1


「そ、そうだよ、コウ君にはカノン先輩がいるのに、私なんかが

彼女であるわけないじゃない...はは」


「だ、だよね~!会話の感じから、クーナさんもコウ君の恋人みたいに

聞こえてきたからさ!」


クーナの困惑した言葉を聞いて、声をかけてきた女子生徒達が

馬鹿馬鹿しい事を聞いたなとニガ笑いをこぼす。


「でも...そっか、そっか、やっぱり私達の聞き間違いだったのか、

だよね~♪」


「はは...そうだね、聞き間違いだったんだよ...うん、二人の聞き

間違い......」


クラスメイト達の悪気のない、だが心にグサッと刺さる言葉に、クーナは

その顔にニガ笑いを浮かべてながら、二人の女子生徒に聞こえないくらいの

か細い声でそう呟いた。


「ったく、あんたの勘違いで恥をかいちゃったじゃないか!」


「何を言っているのよ、あんただって本当は耳に入ってきたから、

私と一緒に聞きについて来たんでしょう!」


「う...そ、それはそうだけどさ...」


文句を述べる女子生徒に、クーナに声をかけた女子生徒が激おこして

文句を返す。


「とにかく、クーナさんが否定しているんだから、きっと違うんでしょ!

ほら...行くよ!」


「う、うん...わかったよ、オーク!」


「だ、誰がオークじゃ!この醜いキングゴブリンが!」


悪びれもなく悪口なあざ名を言ってくるキングゴブリンな女子生徒に、

オークと呼ばれたの女子生徒が、更に酷いあざ名を返す。


「ふ、二人とも...喧嘩はしないようにね...はは」


そんな女子生徒二人を、無理に笑顔を作ったクーナが見送った。


え...!ちょっと、クーナさん!何をしているんだい!その二人を

そこで帰しちゃったら、俺の彼女じゃないってみんなに誤解され......


あ、イヤ......


それでいいんだよな。カノン先輩が俺の彼女ってだけでも、これだけ

騒ぎになっているのに...


クーナさんも俺の彼女だなんて言った日には、このクラスには軽い嫉妬心や

痛々しい視線くらいしか出ないだろうけど、他の連中は違う。


俺は幼馴染のナナでそんなやっかみや蔑みの目を沢山受けてきたから

わかるんだが、あの視線は中々慣れるものじゃない...。


クーナさんがその数々の嫌な視線を受けて心を痛めてしまうのは、絶対

目に見えている。


これがカノン先輩クラスともなれば、そんな視線如き、どうともないん

だろうけど...


まぁ...カノン先輩にそんな視線を送ったり、やっかみ行動を起こす輩なんて

そうそういないだろうけどね。


でも、クーナさんは......


俺は優しいクーナさんが、こんなくだらない事で心を傷つけ、憂鬱になんか

して欲しくないと心から思うのだ。


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