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52話・俺のクラスメイト聞き耳を立てる


「あ...あの、カノン先輩...」


「ん...なんだ?コウのクラスメイトよ...?」


「そ、その...先程、コウ君に言っていた...彼氏って言葉...

あ、あれって、一体どういった意味で言ったんでしょうか?」


恐る恐るとカノンのへ近寄って来たクラスメイトの女子生徒の1人が、

さっきから聞きたくてしょうがなかった質問を、カノンに投げかける。


その言葉をかわきりに、今まで騒がしかったクラス中がシーンッと、

静かになった。


「......」


「......」


そして沈黙の中、カノンの答えをクラスメイト達が聞き逃さないよう、

聞き耳を全開に立てる。


「ん...君の質問の意図が良くわからんが...彼氏と言えば、恋人の彼氏しか

おるまいに...?」


女子生徒の意味のわからない質問に、カノンは不思議そうに首を傾げると、

その答えを、あっさりした表情で迷いなく答える。



「恋人!?そ、それじゃ!やっぱり、コウ君がカノン先輩の彼氏って

意味なんですね!」


カノンの答えにアワアワと動揺を見せるものの、質問をした女子生徒の

瞳はキラキラと輝いていた。


「うむ...当然だ!それ以外の何があるのだ!」


「「「「おおぉぉ―――ッ!」」」」


カノンのその言葉を聞いた瞬間、クラスメイト達が歓喜の声を上げる。


「すげえ!すげえな!コウ!ナナに振られたと思っていたら、あのカノン先輩を

彼女にしちまっていたなんてな!」


「しちまうって言うか...あれよあれよって感じで、気づけば恋人になって

いったんだよなぁ......」


「イヤイヤ...それはないだろう、いくらなんでも謙遜し過ぎ!くう~しかし

カノン先輩の彼氏かぁ!何て、羨ましい展開だ!」


肩をパンパン叩いてくるイソヒに、コウがニガ笑いをこぼしながら答える。


「なぁ...コウ。その男のセリフで気がついたのだが...幼馴染ちゃんと

その彼氏がクラスにいないみたいだが...どこにいったんだ?」


「え、ナナとラールですか?あいつらは、数ヵ月後に行われる新人戦の

打ち合わせに行っていますよ!」


ナナがいない事に気づいたカノン先輩が周りをキョロキョロと見渡して

いるので、イソヒがそのカノン先輩へいない理由を説明する。


「おお、新人戦か...。それは懐かしいな!」


「確か、カノン先輩はその新人戦で優勝しているんですよね!」


「うむ...まあな!しかも試合勝利、最速レコード持ちなんだぞ!」


目を輝かやかせて問うコウに、身体が倒れそうなくらいにエビ反ったカノンが

ドヤ顔をかまして自慢してくる。


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