51話・俺の彼女の心配
うお!?す、すごいな...男子だけじゃなく、女子の方も殆ど全員が
声を上げていたぞ...。
まぁ...それはしょうがないか。これが逆の立場だったら、俺もみんなと
一緒に賛同しただろうし...
でも流石はトップエースのカノン先輩だよね、こんなにもみんなから
愛されているなんて...俺の自慢の彼女さんですな!
...って、俺の自慢の彼女って!
キャー!なんか、めっさ恥ずかしいな、これ!
「ん...どうしたコウ?そんな顔を真っ赤にして...?」
「ハッ!すいません、ちょっとボーッとしちゃって...」
カノン先輩に声をかけられ、ハッと我に帰った俺は顔を左右に小さく
フルフルと振る。
「ボーッと?もしかして、熱でもあるのか?どれ、どれ...?」
「ですので、そんな心配そうな顔をしな――――はにゃぁっ!?」
俺の事を心配したカノン先輩が、スーッと近づいてくると、自分の額を
俺の額へ優しくコツンと当ててくる。
「「「「なっ!?」」」」
コウとカノンの動向を離れた場所で見ていたクラスメイト達が、
その額と額をこっつんこを見て、全員が目を見開いて固まってしまう。
「な、なんだと!あ、あれは異性にやられると最高な行為の1つ、
額で熱を測りましょう!?」
「そ、それをカノン先輩にしてもらえるだと...!」
「くそ...俺なんて、お袋にしかしてもらった事ないぞ!」
「大丈夫...それはお前だけじゃないから...」
「はは...右に同じく...」
「左に同じく...」
男子生徒達が、カノンとコウのイチャイチャに対し、無念の念を
それぞれ飛ばしつつ、羨んでくる。
「いいな、あれ...私もあれをコウ君にしてあげた~い!」
「イヤイヤ...あなたじゃ、コウ君にガンを飛ばしている
光景にしか見えないかと...」
「なんだと!あなただって、似たような顔をしてる癖に!」
「はあ!今、なんと申されたのかしら?」
「あら~お聞こえになられなかったのですか、オークさん?」
「ハァ~ンッ!オークだとっ!だったら、あなたはキングな
ゴブリンじゃないかっ!」
「なんだと!むむ...!」
「何よ!ぬぬ...!」
女子生徒達も女子生徒達で、それぞれな思いを口にして、色々な思いを
口にしている。
「ん...しかし、なるほどな...これがコウのクラスメイト達か...。これは
確かにやさぐれる事がなかったのも当然か...」
自分達に見せてくるクラスメイトの反応を見て、カノンが感心している。
カノンがコウのクラスメイトに、そんな感心をしている最中...
「おっと...こんな事でオークと喧嘩をしている場合じゃなかった!」
「そうそう、このキングゴブリンは後でしばくとして....カノン先輩へ
今の行為も含めて、さっき言っていた恋人発言が本当かどうか聞いて
みなきゃ!」
口喧嘩をしていた女子生徒の二人がハッと我に返ると、カノンに聞きたい事を
聞く為、カノンのいる場所へ近づいて行く。