42話・俺の幼馴染の成長
「私の彼氏が、強奪されてしまった...」
「はい...見事で鮮やかな.手際でしたね...」
「ふ...やるな、幼馴染ちゃん...」
ナナに連れて行かれて、遠くなっていくコウ達の姿を茫然とカノン達が
佇む様に見ている。
「お、おい、ナナっ!本当にどうしたんだ!そんなに暴走して...!?」
「むむ...それは...さっきも言ったけど、不純異性行為を許さないってだけよ!
べ、別に他意はないわ...!」
焦っているコウに、顔を真っ赤にしたナナがツンデレ全開の口調で苦しい
言い訳を口にする。
ったく...本当、こいつ何がやりたいんだろう......んっ!?
この頬に感じるやっこい感触......これはナナのおっぱいさんっ!?
小脇に顔を挟まれた俺は、目を横に向けるとそこには至近距離の
ナナの横胸が目線に入った。
ほほ...やっぱ、小さい頃より、かなり大きくなっとりますな...。
どれどれ...成長した幼馴染の胸を、この頬で存分に堪能し......
......って、違ぁぁぁぁうっ!!
ふう...あぶない、あぶない!こいつはもう、ラールの彼女だったっ!
頬に伝わる胸の感触に集中しようとしたその時、ハッと我に返った俺は、
心の中でそう呟いて気持ちを何とか切り替える。
「お、おい...そろそろ、離してもらえないだろうか......」
じゃないと、この感触に浸ってしまう...それは流石に、カノン先輩達や
ラールに申し訳ないからなぁ......。
「え...だって、離したら逃げるでしょう?」
「イヤ...逃げると言うより、その...」
別にこのままでもいっかな...という気持ちとはグッと堪え、俺をちっとも
解放くれないナナへ理由を話し続ける。
「その...?そのって、なによ?」
「当たってるんだよ......」
「当たってる......?当たってるって何が?」
「胸だよ...胸......」
離して欲しい理由を濁しながら述べるのだが、未だにナナがそれに
全くといって気づいてくれないので、仕方がないとばかりに俺は
その理由を意を決して口にしていく......
「胸......?」
「お、お前の...胸が...その...ほら...俺の頬に......あ、当たってるんだよ!」
「む、胸が...って、キャ――――ッ!?」
「ちょ、ナナッ!?のわわあぁぁ――――ッ!?」
恥ずかしさを抑え、懸命に離して欲しい理由を包み隠さず述べると、
流石に言わんとした事を理解したナナが、悲鳴を上げた瞬間、
俺を抱えあげて思いっきり放り投げた。
「イテテ......お前、いくらなんでも今のはちょっと...イヤ、かなり
ヒドイぞ......!」
「わっ!?ご、ゴメン、コーッ!いきなり変な事を言うから、つい反動で...」
地面に突き刺さる様に叩きつけられたコウに、慌てふためきを見せるナナが
頭を下げてそれに謝罪してくる。




