40話・俺の心に伝わる最高で至極な行為
おお、おおぉぉぉ―――――っ!?
カノン先輩!ありがとうございますぅぅぅ―――――っ!!
「ふむ...中々いい顔をしている...私も嬉しい気分だぞ、コウ!」
満足げな顔を見せているコウに、同じ様にカノンも満足そうな顔を見せる。
「はわわわっ!?」
「ん...どうしたんだ、クーナちゃん?そんな所でボンヤリとして......?
ほら、そっちのあまっているコウの腕に、クーナちゃんもギュッと思いっきり
抱きついてあげなよ...」
「なうっ!?わ、私もですかっ!?」
クーナがカノン達の様子を真っ赤にした顔で見ていると、それに気づいた
カノンが、ちょんちょんと手招きをして、もう片方の腕を指差す。
「そ、そうですね...私だってコウ君の彼女ですし、こんなに恥ずかしがってちゃ
いけませんよね...。よ、よしっ!でで、では...し、失礼しまして......えいっ!」
クーナが決意の意思を口に出すと、コウのもう片方の腕へ近づいていき、そして
空いている二の腕へゆっくりな力でギュッと抱きついていく。
おおぉぉっ!おおほほぉぉぉ―――――っ!?
このじわじわと俺の二の腕に伝わってくるクーナさんの胸の感触...
これはまさに...幸福を越えた、最高で至極な感触じゃぁぁっ!!
「あ...コウ君が嬉しそうな顔を...。コホン...それじゃ私も...そんな彼氏さんに
サービスです......えい!」
コウの恍惚な表情を見てクーナも嬉しい表情をこぼすと、カノンよりも弱くは
あるが、自分の胸をグイグイとコウの二の腕へ押し付けていく。
おお、のおおぉぉっ!?その弱い感じのグイグイ...いい感じです、
クーナさんっ!
「うむ...ほほう...。先程の恥ずかしい表情はどこにいったとばかりに...
中々と責めますな、クーナちゃん...」
クーナの見せる大胆行動に、カノンが感嘆の念をこぼしている。
「しかし...私も負けんぞ、クーナちゃん......うりゃ...!」
うひゃわはぁぁ―――――っ!?
「むむ...流石はカノン先輩...その躊躇なき行動には感服します...。
...けど、私も負けませんよ......えい、えいっ!」
のにゃはあぁぁぁ―――――っ!?
クーナさんに負けじと、カノン先輩が更に俺の腕をギュッとすると、クーナさんも
それに負けじと更に更に強く、俺の腕をギュッと抱きしめてくる。
し、死ぬぅぅぅぅぅ―――っ!!
このままじゃ、俺の幸せテンションが上がり過ぎて息の根が完全に
とまってしまうぅぅぅぅぅ―――――っ!!!
カノン先輩とクーナさんが争うように俺の両腕を交互に抱きしめると、
二の腕に伝わってくる幸福な感触が、どんどん最高の感触へと
変わっていく。
そんな最高の至極に俺が染まろうとした瞬間...突如、俺の耳に叫声を上げて
文句を述べてくる誰かの声が聞こえてきた...。