04話・俺とクラスメイト
「さて...感傷に浸ってないで行きますか......」
ナナと別れて一人になった俺は、学園へ登校する為に足を動かし
歩いていく。
そしてしばらく歩くこと、数十分...俺は自分のクラス前に到着した。
「おっはよ~!」
俺はクラスのドアをガラッと開けると、クラスのみんなへ朝の挨拶を
口にする。
「お!おはよ~コウ!」
「おっはよさ~ん!」
「あ...おはよう、コウ君♪」
「おはよさん~コウ君!」
俺の朝の挨拶に、それぞれの挨拶が返ってきてその場を賑やかす。
「よ!振られ少年、おっはよ~!」
「う...それを言うな...へこむだろうが...」
自分の席へ移動し、座ろうとした途端、隣に座っている男子生徒が
悪気のない挨拶をしてきて、俺はそれにニガ笑いで返し文句をこぼす。
「でもあれを見せられていたら、へこむもへったくれもないだろう?」
男子生徒が目線をクイクイッとやると、その目線の先でイチャコラしている
ナナとラールの姿が目に映る。
「はは...そうだな。毎日あれを見せられたら、流石にモヤモヤと悩んでいるのが
馬鹿らしくなったのは間違いないな...皮肉な、結果オーライだけど...」
あれだけ楽しそうにしている二人を毎日の様に見せつけられると、人間は
不思議なもので、少しずつではあるが胸の痛みがどんどん取れていくのが
体感でわかるのだ。
人は思い...意識しないと、覚えていたくとも忘れてしまう生き物...。
今まさにそれが発動し、俺の頭にある引き出しから...ナナへの思いを
ちょっとずつ取り出して忘れさせてくれる.........。
「お前にも早く、新しい恋の出会いが見つかるといいな♪」
「はは...サンキューな、イソヒ。嫌味だが、そういうフォローを
かかさないお前には本当、助かってるぜ!」
「お、おう...と、当然だろ!ダチなんだしよ!」
あまり誉め慣れていないのか、男子生徒...イソヒは顔を真っ赤にして
照れている。
「なぁ...話は変わるが、お前...今日の課題の魔法の方はどうだ?合格は
できそうか?」
イソヒが話を切り替えて、今日の課題の魔法の話をしだす。
「そうだな...頑張れば、及第点って所だな...お前は?」
「俺もそんな感じかな......それで、お前はどっちの魔法でいくんだ?」
お互いが今日の課題の出来具合を話すと、次に何の魔法でいくかと、
イソヒがコウへ聞いてくる。
「俺も防御魔法は苦手だし、攻撃魔法ファイヤーでいこうと思っているよ、
イソヒは何の魔法でいく予定?」
「俺もファイヤーさ!そっか...それじゃ、パートナーは組めないな...」
「パートナー?」
「なんだ知らないのか?今日の課題はファイヤーとマジックシールドの
二人がパートナーを組んでの実習らしいぞ?」
そう言えば...それ系はナナがいつもパートナーを組んでくれていたからなぁ...。
そっか...今回からは、そのパートナー探しをしなきゃいけないのか...。
忘れかけてた...イヤ、忘れようと努力していた記憶がふと思い浮かぶと
少しだけ、また俺の心がチクチクするのであった。