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39話・俺の思考はバレバレ


「よし...これで準備は終わりっと......」


俺は今日学園で使う道具や教科書類をカバンに放り込み、急ぎ

カノン先輩達の待つ家の外へと移動する。


「ごめん...準備に少し手間取っちゃって...待たせちゃったかな...?」


俺は外で待っているカノン先輩達に遅れた詫びをすると...


「ん...本当に遅かったぞ...中々とお待たされてしまった!」


気持ちを隠す気もないカノンが、あっさりと今の心境を口にする。


「ちょっと、カノン先輩!そこは大丈夫とか...気にするなとか

いう場面ですよ!」


あっさりと本音を洩らすカノンに、クーナが目を丸くして軽く窘めの

言葉を吐く。


「うむ...しかし、私とコウの間で嘘偽りはないのだよ...なあ、コウ?」


「へ!?」


「んん...なんだ、その鳩が豆鉄砲を食らった様な顔は...?もしかして、

コウは私に嘘偽りを申しているのか...?」


「そ、そんな事はありませんよ!あは...あははは...!」


「だろう、だろう...。うむ、それでこそ私のコウだな!」


コウの曖昧な返事にも関わらず、ドヤ顔を見せてくるカノンに対し...


すんません、カノン先輩!めっちゃ嘘と偽りを申し上げまくってますっ!


俺はキラキラ輝く瞳のカノン先輩に、申し訳ないと言わんばかりに何回も

何回も、心の中で頭をペコペコと下げた。


「こほん...さて、ここでいつまでも談笑してても仕方がないし...そろそろ

学園に赴くとするか...コウッ!」


「なっ!カ、カノン先輩っ!?」


気持ちを切り替える為に軽く咳払いをしてそう述べた瞬間、カノン先輩が

俺の二の腕に向けてダイブするかの様にジャンプしてきて、その勢いのまま

自分の腕をギュッと絡めてきた。


「はわっ!?」


聞いた!?今、ポヨ~ンって鳴ったよ!ポヨ~ンってっ!?


飛び込んできたカノン先輩の胸が俺の二の腕に当たった音が心地よく

いつまでもその耳に残る...。


それにこの腕を包み込む様、当たってくる感触のなんと素晴らしき事かっ!?


俺がそんな嬉しい感触に神経を集中していると...


「うむ...相変わらず...コウの心はわかりやすいな...」


コウの表情の変化に気づいたカノンが、上目遣いでジィィーと見てくる。


うひぁぁぁ!?やっぱ、バレてましたかぁぁぁっ!?


でも仕方がないんですよ、カノン先輩!


俺は男の子...この感触には到底抗えるわけがなし...なんですっ!


俺がそんな言い訳を心で呟いていると......


「よし...そんなエッチチな彼氏に、少しサービスをしてあげよう......か。

ほれほれ...どうだ...満足しているか、我が彼氏よ♪」


カノンがしょうがないなこの彼氏は...と言わんばかりに、ニヒヒッと口角を

あげると、自分の胸をコウの腕に何度もグイグイと押しつけるのだった。


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