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35話・俺の彼女の包容力(カノン)


「嫌って、なんでだよっ!?」


俺はナナの断る理由が全く変わらず、動揺を隠せないでいる。


「だ、だって今まで毎日、起こしにきていたっていうのに...それを

いきなり駄目と言われても...こ、困るわ!」


コウの不満な声に、ナナがたどたどしくも苦しい言い訳を説明

してくる。


「こ、困るって言われても...」


本当にどうなっているんだ...ナナの奴...もしかして、ラールと

何かあったとか...?


いや...それはないな、だってこいつら、昨日もあんなにイチャイチャ

していたしな...。


そう...イチャイチャ......


ぐむむ...それを思い出したら、なんかちょっとへこんできたぞ...俺。


「ん...大丈夫か、コウ?何か少し顔色が変だぞ...?」


「へ...そ、そうですか?」


「うむ...わかったぞ。さては幼馴染ちゃんとあの彼氏とかいう

男とのイチャイチャを思い出したんだな...?」


「はうっ!?」


カノン先輩が俺の耳元に顔を近づけて、みんなに聞こえない様に

小さな声で呟いてくる。


カ、カノン先輩、何故それがおわかりに...!?


「流石、トップエースの観察力...中々に鋭いですね...」


「イヤ...違うぞ、コウ。トップエースとか...そんなのは関係ない...

私の好きな異性の感情の変化だ...それくらい敏感に察知できなくて

どうする...だろ?」


「カ、カノン先輩......」


俺の言葉を否定してたカノン先輩が、彼女としてわかって当然と

豪語し、満面の笑みを浮かべると......


「いっぱい慰めてやるから...ほれ...こちゃ、こい......」


「へ...ちょっと、カノン先輩?カノン先輩ぱ―――」


ニコッと微笑んだカノン先輩が、自分の両手をゆっくりと俺の方へ

差し向けてくる。


「――はわわっ!?.........ムギュッ!?」


そして俺の頭を掴んだ瞬間、自分の胸元へ素早く引き寄せると、

強くギュッと抱きしめられ...そのまま俺の頭を優しく、優しく撫でてくる。


ハァ...カノン先輩の胸に抱かれていると、本当に心の中がポカポカと

暖かくなってくるなぁ...。


嗚呼、もう...ドンドン俺の心がリラックスしていくわ...。


「お...コウよ、その顔...少し安堵してきたか?」


コウが幸福と言う名の至福に浸っていると、カノンが母性愛が

溢れる表情でニコッと微笑んでくる。


「は、はい...ありがとうございます、カノン先輩...ハア...!」


そのカノン先輩の笑顔に、俺は幸せいっぱいの笑顔を返して見せるの

だった。


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