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34話・俺の彼女達の正論


「うむ...大変よく出来ました。流石は真面目っ子クーナちゃんだ...

いい子、いい子...♪」


カノンがニコッと笑うとクーナをグイッと懐へ抱き寄せ、頭を

わしゃわしゃと撫で回す。


「わ、私の彼氏のコウ君...っ!?か、彼女として...っ!?」


クーナから醸し出す彼女オーラによる彼氏発言に、ナナの身体が

ビシッと石化する様に固まってしまう。


「...と言うわけなので、幼馴染ちゃん...その苦労も今日までだよ...。

明日から私達コウの彼女が、毎朝起こしにくるので...安心して任せて

くれたまえ!」


カノンが口角を上げドヤ顔すると、自分の胸をドンと叩いてナナへ

そう宣言してくる。


「な...っ!?そ、それは...困るというか...できない相談というか...」


「ん...?それは何故...??」


何かを言いたげそうに口ごもるナナの態度を見て、カノンがハテナ顔を

して不思議がる。


「だ、だって...わ、私には幼馴染としての義務が...」


「ん...義務と言うのなら、私達彼女の方がそれをする権利が高い...

なぁ...私の彼氏、コウよ!」


「え...!?あ、嗚呼...そだね、俺もいつも悪いと思っていたので...

これは丁度、良い機会なのかも...」


ドジをしたり、のんびりボケをする俺を、いつもフォローしてくれた

俺の幼馴染...。


幼馴染って義務感だけで、こんな不甲斐ない俺の面倒を...世話をしてさ、

絶対に苦労もあっただろう...。


その幼馴染...ナナに彼氏ができて、その義務感から抜け出せる口実が

できたんだ。


それに彼氏がいる幼馴染...女性に、男の俺が世話をしてもらうこと

自体が、そもそもおかしいんだもんな...。


「だから、もう俺の世話をする必要はないんだぞ、ナナ?」


「それって、私よりカノン先輩達から起こして欲しいって事?」


ナナの表情が真剣な表情に変わると、ナナがコウの顔をジィィーと

見つめながら問うてくる。


「カノン先輩に起こして欲しいとかは別として...正直に答えると

お前の彼氏のラールに悪い...。だからさ...もう明日からは俺を

起こしには来なくていいから...」


...っと言うか、来ないでくれ...!


俺は真面目な顔をしてナナを見ると、静かに頭を垂れてお願いする。


「......」


頭を下げてくるコウを見て、ナナの間が一瞬とまる......そしてナナの

出した答えが......



「嫌です!」



「ええぇぇ―――っ!な、何でぇぇぇ――――っ!?」


予想に反したナナの返答内容に、俺は目を見開いて吃驚仰天して

しまうのだった。



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