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30話・俺と彼女と幼馴染


「な、ななな、何でクーナちゃんがここに...!?そ、それにそっちに

いるのは、カノン先輩じゃないですか!?」


ナナがアワアワと震える口を開いて、今の状況はどういう事なのと、

目を丸くして驚いている。


「ん...私の彼氏の幼馴染ちゃんではないか...どうした、こんな朝から?」


「そ、それはコーの奴を起こしにですね......って、今カノン先輩、

なんて言ったんですか?」


「ん...どうした、こんな朝から?...と言ったのだが?」


ナナの質問を聞いたカノンが、聞いてなかったのかという表情で

答えを返す。


「違います!その前です、最初の方ですよ、最初の方っ!」


「最初の...?ああ、私の彼氏の幼馴染ちゃん...という所か?」


「はい、そこです...って、やっぱり私の彼氏って言ってるっ!?

ちょっと、コー!これは一体どういう事なの!?」


カノンから発された衝撃な単語にナナが目を見開いて驚くと、コウに

動揺しながら問いかける。


「ふふ...それはこの私...彼女さんがコウの代わりに教えてあげると

しようか...!」


口角をニッとあげたカノンが、コウ代わりに説明する為、ナナの前へ立つ。


「ま...そこまで深い話でもない簡潔なお話だ...私が告白してコウが

それを受けた...そんだけの事だしな...!」


「え...ええええっ!?コーがカノン先輩から告白されたですってぇ!?」


スレッと話してくるカノンの話のその内容は、ナナにとって簡潔ではない、

衝撃な事実だった...。


「ちちち、ちょっと、コーッ!?い、今のカノン先輩の話って本当なのっ!?」


「う、うん...」


真相を知りたいナナが迫る様に聞いてくるので、俺は静かに首を縦に振る。


「そ、それじゃ...カノン先輩の告白を受けたって言うのも...!?」


「何か...あっという間の出来事で、気づけば恋人になっていた...はは」


俺はあの時の事を思い出し、呟く様にそう述べるとニガ笑いがこぼれる。


「か、カノン先輩がコーの彼女...カノン先輩がコーの...」


「お~い、ナナ~!こっちへ戻ってこ~い!」


焦点が合わずボーッとしているナナの顔の前に手を持っていくと、正気に戻す為

俺はその手を何度か左右に動かす。


「ハッ!危ない、危ない!あまりの衝撃に、思わず気を失いかけちゃったよ!」


するとやっと我に返ったナナが、混乱した自分の思考を元に戻す様に、何回か頭を

ブルブルと大きく振った。


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