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232話・俺の帰還後のお話 その5


「ちょっと待ちなさいなっ!そちらに問題がなくても、こっちには問題が

ありますわっ!」


縦ロール髪の少女が洞窟から去ろうとしている黒騎士達に、大きな声を

上げて待ったをかける。


「そこの黒い鎧の......えっと、そういえばまだ名前を聞いていませんで

したね?あなたは誰なんですか?名前を名乗りなさいな!」


「名乗りませんよ。名前を名乗ったら、絶対厄介ごとが増えそうですしね。

でもまぁ...変な渾名をつけられるのも嫌ですしねぇ......ふむ。この装備して

いる黒い鎧に()んで、僕の名前は『黒騎士』とでも呼んで下さい!」


縦ロール髪の少女から問われた少年が装備している黒い鎧をポンと叩いて、

微笑みを浮かべる。


「んじゃ、わたしは主様がつけてくれた名前...『テラ』と呼んでねぇ♪」


「あ。それじゃ、私は――」


「あんたはその髪から取って『ポニー』でいいじゃないの♪」


「ハァ!嫌だよそんな馬みたいな名前!ったく...そんじゃ私も、主がつけて

くれた名前...『アルテミ』を名乗っておくわ!」


ショートボブの少女こと、テラの案を速攻で却下するポニーテールの少女が、

自分の名前はアルテミだと名乗りを上げる。


「そういう訳ですので、今から僕達の事はこの名前で呼んで下さいね♪」


「うふふ♪」


「言っておくけど、私をポニーって呼んだらマジ殺すからねっ!」


名乗る名前を決めた三人組は、ひとりを除いてニコリと微笑みそう述べる。


「......で、縦ロールさん。あんたの名前は?こっちも名乗ったんだから、

勿論あなたも名乗ってくれるんですよね?」


名乗りを終えたポニーテールの少女こと、アルテミが縦ロール髪の少女に

ビシッと人差し指を突き出し、今度はそっちが名乗る番だと告げると、


「と、当然ですわ!わたくしの名はユユナ。第三魔法軍隊長ナユユですわ!」


「ふん。オレは第十剣騎士軍隊長...グラニアだ!」


縦ロール髪の少女こと...ユユナと、緑色の鎧を装備した少女こと...グラニアが、

それぞれの自分の名前を名乗っていく。


「ナユユさんにグラニアさんですか、その名前覚えておきますよ♪では...

名残惜しくもありますが、それぞれの名乗りが終えた事ですし......今度そこ

僕達はこの辺で失礼させてもらいますね♪」


『ホーリー・ブラスタァァァッ!』


黒騎士がナユユ達にニコニコ顔でそう伝えると、聖なる魔法...ホーリー

ブラスターを詠唱し、右手を天に突き上げる。


すると右手の平から光輝く強大なエネルギーが発射され、洞窟の天井を

ぶっ飛ばし、大きなかざ穴を開けた!


「それではごきげんよう!」


そして黒騎士が浮遊魔法で空中にスーッと浮くと、天井に向かって

ゆっくりと飛んでいく。


「くふふ♪そんじゃ、グラニアさん。また命をかけて闘おうねぇ~♪」


「えっと...ナユユでしたっけ?今後はもうちょっとマシな攻撃が出来るよう、

修行をしっかり頑張りなさいよねぇ~じゃないと、いつか死んじゃうぞ~♪」


アルテミとテラも先程闘っていたナユユとグラニア向かってそう述べると、

黒騎士の後を追って空へと飛んでいった。


「く、待ちなさ―――くそ、あいつらの気配がもう消えた......!?な、なんて

スピードで飛んでいくんですか、あいつらはっ!」


逃げて行く三人組の方向を見ながら、ユユナは無念の舌打ちを軽く打つ。


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