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222話・俺、妹と幼馴染に説教を食らう


「そ、それはゴブリンの棍棒じゃないで――ああ!?そ、その棍棒から感じる

レア度感は!?ひょ、ひょっとして、コウにぃ。その棍棒って、ゴブリンキングと

ゴブリンクィーンの棍棒ですかっ!?」


「ふふふ。その通りだよ、ミル!いや~こいつらが欲しくってさ...ついつい、

張り切って頑張っちゃったよ♪」


俺はゴブリンキングの根棒...【キンゴフさんの棍棒】とゴブリンクィーンの

棍棒...【クイゴブさんの根棒】を左右の手に持ち、色々な角度からミルとナナに

見せて自慢する。


「が、頑張っちゃったよ...って、もう!なんて無茶な事をするのよ、コーッ!

あいつらはね、Aランクの冒険者が5、6名で戦って、やっと勝てるかどうかの

レベルの魔物なんだぞっ!?」


強敵とされるゴブリンキングとクィーンと対峙したのに、よく無事だったと

ナナは安堵しつつも、その無謀な行動するコウに対し、怒りを露にして

説教する。


「ホントですよ、コウにぃ!ナナさんの言う通りです!いくらステータスが

上昇して強くなったからといっても、少し無茶が過ぎます!それでもし

万が一な事があったらどうするんですか!コウにぃの命はひとつしかないの

ですよっ!」


「ふ、二人共そんな顔をするなって!悪かった!俺が悪かったって!」


「「そんな顔にもなりますっ!!」」


「はひぃぃぃいぃっ!悪かった!俺が全面的に悪かったです、はいっ!

た、確かにステータスが上昇した事で調子に乗った感は否めないです。

なので、今は猛烈に反省してます。もうこんな無茶は二度としませんから

お二人ともお許し下さいぃぃぃっ!ホントマジで心配させてすいません...

でしたぁぁぁああぁぁぁぁっ!!」


俺の安否を心配し、瞳をウルウルさせて涙を溜めているナナとミルを見て、

俺もテンションに身を任せて突き進んでしまったと心の底から反省すると、

ナナとミルに向けて両手と両膝をパンッと大きく床に叩き突き、その場に

平服する様に深々と頭を下げて二人に対して土下座で許しを乞う。


「ふう、いいでしよう。今回はその華麗な土下座に免じて不問といたし

ましょう!」


「へへ――ッ!有り難う御座いますっ!ナナ様、ミル様ッ!!」


まぁ...コウにぃに、根棒への飽くなき探求心を植えつけてしまったのは、

他ならぬ私とナナさんですしね......。


「但し!もしまた私達を心配させるような事をしでかしたら、今度は

『ネイルお姉さん』にその事を伝え、タップリと説教をしてもらい

ますからね!いいですねっ!」


「ネネ、ネイルお姉さんんんっ!?はひぃぃぃ!?そそ、それはだけは

ご勘弁をぉぉぉっ!マ、マジで今後一切、こんな無謀無茶な事は絶対に

いたしませんからあぁぁぁっ!!」


ネイル姉さんに...と聞いた瞬間、俺の顔から一気に色が抜け落ちていき、

動揺全開の慌て様でそれは止めて下さいと、心からの嘆願をミルに直訴する。


「はは...ホント、コーはネイルお姉さんの事が苦手だよねぇ......」


まあ、仕方ないか。小さい頃、ネイルお姉さんからほぼ毎日のように

小言と説教で怒られていたもんね。


「なぁ、ミル!マジでお願い!マジでこの事はネイル姉さんに内緒―――」


『ウォホンッ!コウ。楽しい談笑の所、大変申し訳ありませんですけれども、

そろそろ日も落ちてきて暗くなってきた事ですし、いい加減この森から

出ませんか?そうしないと......』


「へ?そうしないと、何なん...だ......はう!?な、何だ、これ!?ち、力が...

力が...意識が...ぬ、抜けて...く......るうぅ...うぅぅ......」


セティにそれってどういう事と訊ねようとした瞬間、いきなり俺の視界が

ぼやけ始め、身体を支える力、そして意識と集中力がドンドン無くなっていく。


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