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219話・俺、妹と幼馴染に合流する


「でもこの気の感覚...間違いなくコーだよね?」


「はい。ですが、何か違うとも言い切れます......」


だって、この気質と魔力の大きさ、先程のコウにぃとはまるで別人で

違い過ぎます...。


ナナとミルの二人が異質にも感じるコウらしきものに戸惑っていると、

二人の目線遠くに黒い塊なものが映って見えてくる。


「ああ!み、見て下さいよ、ナナさん!コ、コウにぃですよ、あれ!

やっぱり、コウにぃだったんですよっ♪」


「う、うん...確かに、見た目もコーだ......」


だけど、本当にあれってコーなの?


だって、物凄い速さでこっちに向かってきてるよ?


私だって、あんなスピードは出せないのに、そ、それをコーが

出しているっていうのっ!?


た、確かにさっき、コーの身体能力が何故か物凄く高くなっているって

いう事のをミルから簡単ではあるけれども聞いたよ。


で、でもさ、このビリビリと肌に刺さってくる気の大きさ...


それにあの信じられない程の速さ、ハッキリいって私の予想範疇を

遥かに越えているんですけど!?


目を大きく見開いて唖然とし、驚きを隠せないでいるナナの横で、


「しかしどういう事でしょうか?何か先程よりも、コウにぃの強さが

激段に増しているんですけど!?」


ミルもまたナナと同等、目を大きく見開いて、コウの更なるパワーアップに

動揺を隠せず、ビックリしてしまう。


「おお!あそこに見えるは...間違いなく、ミルとナナじゃんっ!セティの

言ったように、確かにミルとナナがいたよ♪」


俺は目線の遠く先に見えるナナとミルを発見し、その頭上の上にある木の枝へ

移動して着地すると、そこから地面に向かって急降下し、ミルとナナのいる場所に

着地した。


「コ、コウにぃ!無事だったんだね!」


「はは、この通り何とかな!」


ミルが俺の安否を心配していたのか、無事な姿を確実すると、安堵からくる感涙で

今にも泣きそうになっているので、それを落ち着かせる為、俺はサムズアップを

ミルにビシッと突き出して安心させる。


「ふえ~ん!良かったぁぁ~!本当に良かったよおぉぉぉぉ~~~~!」


「へ?ち、ちょっと、ミ......うぷぅっ!?」


コウがサムズアップした瞬間、ミルは先ほどまでの戸惑いを全部忘れ、ただコウが

無事に帰ってきた事に感極まり、自分の胸にコウを思いっきり抱き寄せる。


そして、


「えへへ~♪コウにぃ、コウにぃ、コウにぃぃぃ~~~♪」


自分の胸にコウの顔をギュッと(うず)めさせ、力いっぱい包容する。


「のわわわわわあぁ!ち、ちょっと、ミル!ど、どさくさに紛れてなにを

やっているのよおおぉぉぉぉっ!?」


「何をって言われましてもねぇ。ハグですよ、只の仲良し兄妹のハグ。危険な

地帯から無事に帰ってきた兄に妹が感涙してハグをするくらい、至極至って

普通の事だと思うんですけど?」


「イヤイヤイヤ!世間一般で、それをハグとは言わないと思うんですけどっ!!」


コウの身体全体を包み込む様に胸へと抱き寄せて、コウの顔をグリグリと

自分の胸に押し当てているミルの姿に、ナナが拳をブルブル震わせて、

それはハグじゃないと異議を叫ぶ。


「ぷはあっ!う、嬉しいのはわかった、わかったからさ!と、取り敢えず、

離れてくれ、ミルッ!」


「もう、コウにぃのイケずぅ~っ!」


コウは自分を抱き締めているミルの両手を強引に引き剥がすと、ミルから

距離を取って離れていく。


「ふん!よ、良かったじゃないの、コー。愛する妹からそんな激しいハグを

受けちゃってさぁっ!」


やめると言いつつも顔をニヤけさせるコウに対し、ナナは頬を大きくプクッと

膨らませると、コウの事をジト目でジロリと睨んでくる。


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