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218話・俺の考え


「ど、どういう事だろう?」


ミルの奴がここにいるのは何となくわかる。


けど、でも何でナナの奴までこの森に来てるんだ?


『それは恐らく、ナナさんが討伐メンバーに選抜されたからでは?

この大きな気の感じを見るに、コウの恋人さん...カノンさんに

近いレベルを持っているみたいですし!』


コウが首を傾げ、ハテナ顔でナナが森に来ている事に疑問視していると、

セティがこの疑問の答えだろう予測を口にする。


「あ、ああ。なるほど......」


あいつって、一年のトップエースだもんな。


ゴブリン暴走の討伐のメンバーに選ばれていてもおかしくはないか。


俺はナナの強さを思い出すと、納得の相づちを打つ。


「それなら取り敢えず、俺が無事な事と、ゴブリンキングとクィーンが

健在な事を二人に伝えに行くか。セティ!融合のタイムリミットは

まだ大丈夫か?」


『ええ、まだ大丈夫...と言いたいんですが、あと少しの時間しか残されて

いないようです。正直、この森を脱出できるくらいかどうか、ギリギリと

いう所ですね。ですので、ミルさん達の所まで行くとなると......』


コウの問いに対し、セティが完全なる融合が持ちそうなタイムリミットを

予想の範疇で答え...


その後、


『......それでも行くんですか?』


...と、真面目口調でコウに問い返してくるので、


「ああ。さっきも話したけどさ、ゴブリンキングとクィーンが依然

健在だという事と、その居場所の洞窟を早く知らせた方がいいと

思うんだよ」


俺はセティのその問い返しに対し、そう答える。


「それにさ、俺の無事をミルの奴に伝えないと、あいついつまで経っても

森の捜索をやめないと思うんだよねぇ......はは」


そして、俺は心配と苦笑の入り混じった表情で行うだろうミルの行動を

想像する。


『たはは...確かに妹さんのブラコンぶりを見ていると、その可能性は

十二分にありえるよね!』


「それにさ、あいつらの近くでタイムリミットが切れて動けなくなった方が

俺の身もまた安全だしな!」


これが俺がミル達の下に行くもうひとつの理由...本命的な理由だ。


だって、こんな魔物彷徨く森の中で動けなくなってみろ、俺の命よ、

永久にさようならじゃんっ!


『それもそうですね!それでは!完全なる融合のタイムリミットがくる前に、

急ぎミルさん達のいる場所へ移動しましょうか!』


セティはそう言うと、腰と足に力を入れて大地を蹴りあげて巨木の枝に

ぴょんと飛び乗る。


そして飛び乗った勢いでしなる枝の反動を最大利用して弧を描く様に空中に

飛び上がると、コウはミル達のいる場所へと飛んで行く。



セティが述べるミルとナナがいる場所へとコウが急ぎ向かっていた

その頃...。



「わかりました、ナナさん。ナナさんの決意に揺るぎはないようですね。

いいでしょう!では先程述べましたアイテムを入手してから、その後――」


ナナの見せる真剣な表情に感化されたミルは、真面目な表情でその後に

行うべく計画を頭の中に思考しようとしたその時、


「――って、な、何ですか!?こ、この身体中に突き刺さってくる様な

とてつもない大きな気はっ!?」


突如、背中の方面遠くから感じる強大な力に、ミルは目を見開いて

喫驚し、その力を感じた背中方面...後ろへと勢いよく顔を振り向けた。


そしてナナも、


「こ、この気配と感覚は、コー...なの!?で、でもこれはいくらなんでも...

き、気のせい......なの?」


この大きな気を持つものからコウを感じ取るが、しかし違和感どころではない

あまりにも大きな気質に、ナナは困惑と呆然の入り混じった表情で立ち

尽くしてしまう。


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