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215話・俺、ついにレア棍棒をゲットする


「もう!そんな及び腰でどうするんですか、コウ。あの棍棒たちを

欲しいんでしょう?だったら、このチャンスを逃す手はないと

思うんですけど?」


「い、いや...た、確かにあいつらの棍棒たちは欲しいですけどね。

でもあれに突っ込むのはちょっと――」


「ハァ...コウはグチグチと埒があきませんね。こうなったら仕方が

ありません。僭越ながら、この私がコウの代わりに.........」


セティがやれやれといった口調で嘆息を洩らすと...


へ!?お、俺の代わり!?


...って、のわぁあ!?な、何だこれぇぇぇっ!?


「お、俺の身体が...俺の身体がぁぁ、勝手に動いてぇぇぇぇ~~~っ!?」


セティが俺の身体を勝手に乗っ取り、襲いかかってくる炎の槍たちに

向かって、そのまま真っ直ぐに突っ込んで行く!


「ち、ちょっとぉぉぉっ!?セティさん、何をやっているのぉぉおぉっ!?

マジでやめてぇぇぇぇ~~~っ!!」


俺は声を荒らげてセティに拒否の言葉を思いっきり吐き出すのだが、

そんな叫声も空しく、俺の身体は全く真逆な行動を取ってドンドン

炎の槍たちへと近づいて行く!


「な!?あ、あの人の子は正気なのですか!?よ、避ける所か、そのまま

炎の槍に突っ込んでくるだなんてっ!?」


「あの小僧、何を考えている!?」


コウのこの無謀とも言える行動に、流石の二人も目を見開いて驚きを

隠せないでいる。


「ウギャァァ――!も、もう駄目ぇぇぇ!セティの人殺しぃぃぃぃっ!!」


至近距離まで迫った目の前の槍軍に、コウは目をグッと瞑ると、この世との

お別れが頭の中を巡る。


.........。


あ、あれ?全然、痛く......ない?


『ほら、さっさと目を開けて下さいな、コウ!炎の槍軍はもう通り

過ぎましたよ!』


「へ?」


俺はセティに急かされ、両のまぶたをスッと開けると、炎の槍軍は

既に目の前になく、後ろから無数の炎の轟音だけが耳に聞こえてくる。


「マ、マジで無傷で通り抜けた......のか!?」


『ったく...だから大丈夫だって、あれほど言ったじゃないですか!』


唖然とするコウに、セティがしたり顔で身体をふんぞる。


「ああ...本当にすごいんだな、完全なる融合っていうのは......」


俺は全く無傷な自分の身体に目線を向けると、その事実に驚愕してしまう。


『さぁ!ここからはコウに身体の行動権利を戻しますので、後は頑張って

下さいね!』


セティがそう述べると、身体の感覚がコウに帰ってくる。


「おう。ありがとうな、セティ!今日のおやつの数はいつもの倍にしてやるぜ!」


『ほ、本当ですかっ!?やっほぃ♪』


コウからの御褒美に、セティが眼をキラキラと輝かせて感涙する。


「はぁぁぁ!ではいっくぞぉ、ゴブリンキング、ゴブリンクィーン!いやさ、

レア棍棒たちぃぃぃっ!!」


『加速せよ!スピード・ブースタァァァァッ!』


俺は素早さを上げる魔法...スピード・ブースターを詠唱して、突撃スピードを

更に上げ底する!


「は、速い!?速過ぎて見えないだと!?こ、この王である我が人如きの

動きを見切れないというのか!?ク、クィーンッ!」


「わ、我に振るな!お前さんに見えないものが我に見える筈がなかろうがっ!」


キングがコウの動きに喫驚し、クィーンに捉えさせようとするが、クィーンも

コウのスピードについていけずにいた!


あいつらの隙を縫って......見えた!


「そこだぁぁぁぁ――――っ!!」


コウがゴブリンキングの作った隙を見つけた瞬間、素早くキングに向かって

猛突進して行く!


「し、しまったっ!?や、やられるっ!?」


キングは攻撃を食らってしまうと、慌てて防御体勢に入り、更に隙ができた。


「よっしゃ、もらったぁぁぁっ!!」


コウはその隙を逃さず、キングの右手に手を伸ばし、棍棒をバッと奪い取った!


「な、何だと...!?あ、あの小僧!お前様を攻撃せず、棍棒だけを取った...

じゃとっ!?」


あ!クィーンの奴、動揺で防御体勢が崩れ、持っている棍棒が取りやすい

位置に動いたぞ!


「くくく、そのチャンス、逃がさぁぁぁ―――んっ!!」


『穿せ!コールド・エッジィィィッ!』


俺は素早く右手を前に突き出して、コールド・エッジを詠唱し、無数の氷の刃を

クィーンが棍棒を持っている手を目掛けてピンポイントで次々と射出していく!


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