213話・俺、やっぱりレア棍棒が欲しい!
はあああぁぁぁ―――っ!?
ス、ステータスの一時半減!?筋肉痛!?倦怠感!?
「いやいやいや!それのどこが大丈夫なんだっ!安心して下さいなんだっ!
それって思いっきり、安堵感ゼロじゃねぇかぁぁぁっ!」
ヤ、ヤバい...
よ、予想以上にデメリットが酷すぎる......。
もしゴブリンキング達の前で発動が切れでもしたら、俺の人生即終了じゃ
ないですかぁぁぁっ!?
いやぁぁぁ―――っ!失敗したぁぁぁぁ―――っ!
感情に流されて発動なんてしきゃ良かったぁぁぁぁぁ―――っっ!!
俺は心の底から完璧なる融合を発動させた事を、死ぬ程後悔する。
『う~む。コウがそこまで嫌がるんだったら、いっその事、棍棒は諦めて
ここから逃げますか?今のステータスなら、意とも容易く脱出できると
思いますけど?』
うぐ、そうだな...。
正直いって、ここで逃げた方が命の安全は保証されるだろう。
だ、だけどさ!もしここで逃げちゃったら、あの素敵棍棒たちとは
この先二度と出会う事はない事は必至っ!
ぐぬぬ...安全を取って逃げるべきか...はたまた、命のチップを賭けて
棍棒ゲットするべきか...
俺は安全を取るべきか、はたまた棍棒ゲットに決意を固めるべきか、
この二つの選択を天秤の測りにかけ、散々思考した結果...
「...............うん。やっぱ、レア棍棒欲しい!」
やっぱり、欲しいものはめっちゃ欲しいぃぃぃんだよぉぉぉぉっ!!
だって、ゴブリンのナンバーワンとナンバーツーの棍棒だぞ!
しかもユニークのっ!
こんな一生にあるかないかの大チャンスを逃したら、死んでも悔やみきれない!
よし、決めた...
「俺は決めたぞ、セティ!俺は......やってやるぜぇぇぇぇっ!!」
俺は決意を棍棒ゲットに決定すると、両腕を天に突き付け、気合いの叫声を
荒らげる。
『おお。どうやらゲットの決断をされた様ですね。それなら、長話しは
ここまでにしておきましょうか。この奥義の発動時間は精霊憑依よりも
かなり少ないので、今は目的を遂げる事だけに集中をしましょう!
いいですね、コウ!』
「ああ。そうだな...セティの言う通りだ。今デメリットの事をあれこれと
思考するのは一旦横に置いておいて、まずはあの棍棒をゲットする事に
集中...最優先事項としようかっ!」
俺はセティに促され、ゴブリンキングとクィーンの持つ棍棒に目線を向けると、
デメリットの事は取り敢えず、後回しにする事にした。
スゥ......ハァ......よし!
俺は軽く深呼吸をして気持ちを切り替える。
「さぁ、覚悟しろよ!ゴブリンキング、ゴブリンクィーン!今度こそ、俺の目的を
成し遂げてやるからなっ!」
そして俺はゴブリンキングとゴブリンクィーンに人差し指をビシッと突き出すと、
心に決意を刻むかの様に大きく啖呵を切った!




