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21話・俺に彼女(達)ができた


「ち、ちょっと待ったぁぁっ!な、なんか俺の意見が完全無視で、結果が

発表されたんですけどぉぉぉっ!?」


俺は目を丸くして二人の決定に驚き、叫声を上げて抗議の言葉を口にする。


「あれ...そうだったっけ...?」


「それに二人とも恋人って...一体、どういう意味なんですかぁっ!?」


首を傾げて惚けるカノン先輩に、俺は動揺を見せながらも、更に詰め寄って

抗議をする。


「ん...さっきの私達のやり取りを聞いてなかったのか...?うむ...仕方がない...

それじゃ、もう一度...最初から...」


「ち、違います、違います!?そういう意味じゃなくってですね...っ!?」


もう一度最初から説明をしようとするカノンの言葉を、俺は慌てた口調で

遮って否定する。


「ん...よくわからんが...そこまで慌ててコウは...何を言いたいのだ?」


「ですから、恋人になるにしても...か、彼女が二人って、絶対におかしいで

しょうっ!?」


本当、マジ勘弁して下さいよ、カノン先輩~!そりゃ~彼女ができるのは

めっちゃ嬉しいですよ~でもそれが二人って...


もし...もしそんな事にでもなったら、回りから白い目で見られる確率、

ほぼ100パーセントじゃないですかぁっ!?


「何故、おかしいのだ...?確かこの国では、一夫多妻や一妻多夫は普通

だったと思う...違うか?」


「そ、それはイケメンや金持ち貴族のする事で、一般人の俺とは無縁の

存在ですって!」


「いやいや...安心しろ...。コウは中々のイケメン...それは私が保証する!」


カノンは自信満々にそう言うと、自分の胸をドンッと叩いてドヤ顔をする。


え...カノン先輩から見た俺って、イケメンなんだ...。


「そ、そうですよ!コウ君って、意外にクラスの女性逹にも人気なんですよ~♪

パートナーになったおかげで、この間も......あわわわぁ~!?」


「え...!に、人気...!?」


いかにコウがモテてるかを述べるクーナだったが、なにか嫌な事でも

思い出したのか...急に言葉が途切れ、その身をブルブル震わせる。


し、知らなかった...俺がクラスの女子生徒から、そんなに人気を得ていた

なんて...。


イヤイヤ、今はそんな事は後回しだ...!


とにかく、この展開の打開策を何とか考えねば、後々面倒な事に...いいや、

絶対に面倒な事になるのは必至っ!!


ここのままでは彼女が二人という、ハーレム展開を何とか打破する為に

何か良い案がないかと、頭の引き出しを次々と開け続ける...。


それから、頭の引き出しに入っていた案を次々と繰り出し、必死にカノン先輩や

クーナさんを説得してみるのだが、まるで効果がなく...


次第に、俺の方が間違った事を言っているんじゃないかと錯覚するほどに、

追い込まれて...


そしてとうとう根負けした俺は、二人の事を恋人...つまり、彼女にする事を

快諾してしまうのであった...。


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