209話・俺の意地を見せる
「ほう...人の子にしては中々のスピードではないか。だがなぁぁぁっ!」
『食らえよ、人の子ぉぉぉ!棍棒ランダム乱れ撃ちぃぃぃぃぃっ!』
ゴブリンキングが咆哮を上げながらギフト技を発動すると、棍棒を大きく
振りかぶって、棍棒ランダム乱れ撃ちの体勢に入る!
『誰が食らうかっ!俺を守れ!コールド・ウォォォォォォルッ!』
俺はそれを迎え撃つべく氷防御魔法...コールド・ウォールを素早く発動させて
氷の壁を作り出し、ゴブリンキングの連打攻撃を受け止める!
「おほほほっ!甘いですわ!そんな薄い氷の壁如き...私の素晴らしき風魔法で
粉々にしてさしあげましょうっ!」
『刃の風よ!空気を切り刻み、吹き荒れろ!ウインド・カッタァァァッ!!』
ゴブリンクィーンが風魔法...ウインド・カッターを詠唱して、両の手をバッと
前に突き出す!
そして突き出した両方の手のひらから風の刃が吹き荒れ、コウの作り出した
氷の壁を次々と削って砕いていく!
「クゥッ!こ、このままじゃ、氷の壁があっという間に切り刻まれてしまう!?
そ、それならば、攻撃に転じて一気に攻めてやるっ!」
『氷の槍よ!あいつを捕捉し、拘束しろ!コールドランス・セメタリィィィッ!』
俺は氷の壁の前に飛び出して身構えると、ゴブリンクィーンに向け、カノン先輩の
ギフト技...コールドランス・セメタリーを見よう見まねで発動させる!
「な、何ですか、これは!?じ、地面から大きな氷の槍が現れ―――っ!?」
コブリンクィーンが地面の変化に気づくが既に遅く、地面から突き出てくる
巨大な氷の槍にてクィーンの身体が瞬時にて閉じ込められる!
「な、なんだと!?ク、クィィィ――――――ンッ!!」
「や、やった!クィーンの腕だけを氷の外に出して、氷の中に閉じ込める事に
成功したぞっ!」
よし!あとは...クィーンの手に持っているあの棍棒をゲットして――
『コウッ!急いでそこから離れて下さいっ!あなたを狙おうと炎の攻撃が
頭上に集まっています!』
「は?俺を狙って?頭上?......って、な、なんだ、ありゃ!?無数の炎の矢が
俺の頭上の空間を全て埋め尽くしていやがるっ!?」
セティの叫声に喫驚した俺は、慌て様に頭上へ目を向けると、そこに見えるは
今にも俺を攻撃せんとしている無数の炎の矢だった!
そして俺がそれに気づいた瞬間、炎の矢が俺を狙って次々と降り注いできた!
ヤベェェェェェ―――ッ!?
あんなのまともに食らったら、確実にお陀仏じゃないかっ!?
クソ...どこかにないか?これを打破できる逃げ道は.....
「あったぁぁぁっ!」
あの場所に逃げれば、何とかいけるかもしれん!
で、でも......逃げ込むには、ちっとばかり狭いかな?
ええい!ここであれこれと迷っている時間なんてないわぁぁっ!
『発動せよ!スピードブースタァァァ―――ッ!』
俺は周囲を見渡して逃げ道を何とか確保すると、即座にスピード・ブースターを
再び詠唱して、スピードをアップさせた!




