02話・俺と幼馴染の登校
「じゃ、私は外で待ってるから、早く来なさいよね!」
ナナは俺に人差し指をビシッと突きつけ、そう述べると部屋の外へ
出ていった。
「やれやれ...相変わらず、元気っ子だな、ナナは...」
ナナが出ていたドアへ目線を向けながら、俺はニガ笑いがこぼれくる。
今、俺を騒がしく起こしに来た人物は『ナナ・アイシュ―ド』と言って、
誰にでも屈託のない明るい笑顔で接してくれるから、男子にも女子にも
好かれるクラスの人気者だ。
それに加え...俺の通っているグランジ学園の1年生の中で、上位クラスの成績を
誇っている。まさに完璧少女の名に相応しい人物なのだ。
そんな完璧少女が、何故俺なんかを起こしにくるのかと言うと...な~に、
答えは簡単...。
俺とナナは小さい頃から一緒にいる、腐れ縁...いわゆる、幼馴染ってやつだ。
「もし幼馴染じゃなかったら俺とあいつの関係って、多分すれ違う程度の間がら
だっただろうな...はは」
俺はナナと自分との出来の差に、思わず溜め息と苦笑がこぼれてしまう...。
「おっと...ボーッとしてる場合じゃなかった!早く準備しないと、またナナの
大目玉を食らう羽目になるな...」
俺はその事を想像してしてしまい、思わずその身がブルッと震えると、大急ぎで
今日の勉学に必要な勉強道具をリュックにポイポイッと放り込む。
そして準備を終えると、ナナが待っている玄関口へ駆ける様にダッシュする。
「ハァ...ハァ...お、お待たせ、ナナ!じゃ、行こうか...!」
「お...中々早かったじゃん、いつもこうだと助かるんだけどな♪」
「はは...精進します」
「うむ、いい返事だ!んじゃ行こうか、コー!」
ナナとそんな会話を済ませた後、俺とナナはグランジ学園に向けて
歩いて行く。
それからしばらく学園に向けて歩いていると、ナナが突然思い出した様に
今日行う試験の話題を口にした。
「ねぇ、ねぇ、コー。コーは今日の実技試験の課題魔法...その2つの内、
どっちかは使える様になったの?」
ん、ああ...確か、今日の実技試験の内容は...ファイヤーとマジックシールドの
魔法のテストだったよな...?
「うん...多分、ファイヤーの魔法なら何とかなると思う...」
「多分って...もう、本当にコーはマイペースだよねぇ......。そんなんだから、
この間の試験だって.........あっ...あれはっ!」
俺と話をしていたナナが何か見つけたのか、目の色がいきなり変わって
目線を通路側へ向ける。
「あの後ろ姿......」
俺達の目線の向こうに見える人物をナナが目を凝らしジィッと見ると、
その人物がラールと呼ばれる少年だと気づく。