198話・俺、魔物と魔族の情報でビックリする
「じゃ、じゃあ...い、今の声は誰の声なんだよ?」
『考えられるパターンは、ゴブリンキングかクィーンの声でしょうね!』
あ...やっぱり。
今の声を聞くに、マッチョマンなゴブリンが想像できるんだが...
さっきのジェネラルゴブリンも中々のマッチョさんだったからな、
この底から震える感じの野太い声の持ち主ともなると......
のおおぉぉ...こ、怖っ!?
うう...やめやめ!これ以上想像すると、ゴブリンキングの場所に行く気が
なくなってしまう!
「コホン...で、でもゴブリンキング達って、喋れる事ができるのか?」
俺は咳払いをして気持ちを切り替えると、この素朴な疑問をセティに
訪ねてみる。
『はい、ゴブリンのキングやクィーンタイプは喋りますよ。それに上位種には
人語を喋れるタイプが結構多いんですよ!』
コウの素朴な疑問に、セティが答えを返す。
「へぇ...そうなんだ。魔物にも人語を喋れるタイプがいるとは聞いては
いたけど、本当だったんだ」
「はい。更に魔物の最高上位種でもある魔族ともなれば、人以上に人語を
悠長に喋ってくるし、頭もキレッキレですから!」
「マ、マジか!?」
俺が魔物の情報にビックリしていると、セティが追加で述べた魔族の情報に、
目を見開いてビックリしてしまう。
『さ、そんな魔物の豆知識はここまでにして、奥に進みますよ!』
「俺に取って豆知識じゃなく、タメになる知識なんだがな...まぁいいか。
え~っと、さっきの野太い声が聞こえた方角って、どっちの方だっけ?」
『あっちの方角ですよ、ほら...あっちの方角で光っている場所です!』
「ん?あっちの......?この方角かな?」
『もう、違います!そっちの方角じゃなくて、あっちの方角です......よっ!』
「はぎゃっ!?」
俺が野太い声のした方角を懸命に探していると、セティが強制的に俺の首を
動かし、野太い声のした方角に顔を向ける。
「イテテ...もうちょっと優し...あ、あっちの奥の方が周囲の洞窟内より、
一段明るくなっているな?...って事は、あそこにゴブリンキングと
ゴブリンクィーンが...!?」
『間違いないですね。この先から先程感じた、強いオーラをビシビシと
感じますから...』
「そっか、この先にゴブリンキングとクィーンがいるのか......ゴク。
よ、よし!ちょっと怖いけど、決心と決意が鈍る前に行くとするか...!」
ゴブリンキングとゴブリンクィーンのいるであろう場所を確認した俺は、
喉をゴクッと鳴らし、緊張で高鳴る心臓のドキドキを落ち着かせつつ、
野太い声のした方角へゆっくりと移動を開始する。




