185話・俺のステータスが予想以上に上がってた!
「おお!スゴいな...これ!これが精霊憑依ってやつなのか♪」
俺は明らかに普段とは違う自分の力に感動し、心がウキウキしている。
『ふふ...どうです、コウ。精霊憑依の威力の程は?』
「うん。中々の感動ものだよ!」
自分の力に酔いしれるって、まさにこんな気分なんだろうなぁ♪
『でも凄いからって、その力にあまりのぼせないでね。所詮、力は
破壊行動でしかないのだから...。これを見誤い溺れてしまうと、
一瞬で破滅へのロードに直行ですので...!』
「そ、そんなのわかってるって、俺も自分の身の程は知っている
つもりだから!」
セティの珍しいくらいの真面目な説教に、自惚れはしないと誓う。
「ふふふ...どうだ、ミル?これなら俺を置いて、学園へ行けるだろ?」
「う、うん...。確かに凄い力を感じるよ...」
凄まじいオーラを放っているコウを見て、ミルが静かにそう呟く。
「でも、確実な安心の為に、コウスにぃのステータスを見てもいい?」
「え?ステータスを?ミルがそれで安心するなら、別に俺は構わないよ!」
ミルのお願いに対し、俺は迷いもしないで、あっさり許可を出す。
「そ、それじゃ...失礼して......」
『ステータス・オープン!』
―――――――
コウ・ラーディス
LV26
職業・学生
HP 930
MP1250
力1010
防1020
速1100
魔1250
幸1005
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「ちょ、ちょ、ちょぉぉっ!?なな、なんなの!こ、この異常過ぎる
ステータス数値は!?殆どのステータス数値が千を超えているじゃない!?」
あまりにも高い数値の自分の兄のステータスに、ミルが目を丸くして
喫驚してしまい...
「ええぇぇぇ!マジでぇぇぇぇぇっ!?」
コウもコウで、ミルが発したステータスが千を超えているという言葉に、
目を丸くして喫驚してしまう。
『ふふふ...どうですか、コウ!これが私の精霊憑依の力なのですよっ!』
見えないのに、セティがドヤ顔をしている姿が、ハッキリとその目に
浮かんでくる。
「あ...そうだ。これって、一体いつまで効果が持続するんだ?」
『そうですね...大体、今から数えて、夕暮れまでは効果が続くと
思いますよ!』
「夕暮れって、そんなに時間がないじゃん!し、しくったぁぁっ!
ゴブリン達がいる近くで発動すればよかったぁぁぁぁぁっ!」
後悔、先に立たず...
ま、まぁいい...そうとわかれば、ここに長居は無用!
「それじゃ今度こそ、ゴブリンの最強の棍棒を求めて...上位種の
ゴブリン達を探しに行きますかぁぁぁぁっ!!」
俺はそう叫声を上げて気合いを入れると、大地を垂直に思いっきり
蹴り上げて、上空へとジャンプした!




