175話・俺の妹の突拍子のないアイデア
「ふふ...それはねぇ、コウにぃ。これを使ったからなんだよ♪」
ミルがニコッと微笑みを見せると、ギフトで出現させた大きな剣を
突きつける様にしてコウに見せる。
「そ、それはミルが使っていた剣...だよね?えっと...名前は確か...
次元、なんとかブレード......だっけ?」
「次元断裂ブレードですよ、次元断裂ブレードッ!」
コウの間違いにミルが困り顔をして、剣の正しい名前を教える。
「そ、それで、その...次元...だ、断裂ブレード?その剣とお前が
この部屋にいる事とどういった関係があるっていうんだよ?」
「あれ?放課後の決闘で、私がこの剣を使って空間移動した姿を
見ていなかったんですか?」
次元断裂ブレードを見ても尚、理解していないコウに、ミルは今日の
闘いで使用した技の説明をしていく。
「ああ...はいはい、思い出した。確か、ナユユちゃんへの攻撃に対し、
そんな事をやっていたっけ?」
「ここまで言えば、もうおわかりとは思いますが、コウにぃの部屋には
この剣を使用して出来た空間の中を通って、侵入してきましたっ!」
次元断裂ブレードをコウに見せつけ、ミルがドヤ顔を決める。
「ふふふ...さぁ、こんなどうでもいい説明はここまでにして...ぐふふ♪
今日こそは、その全てを貰い受けますからねぇ~コウにぃ♪」
ミルが目をカッと見開くと、コウをベッドと押し倒した!
「だぁぁぁ、や、やめろってぇ!?な、なんて力なんだ!?
う、動きが完全に封じられてしまっている!?」
「うへへ...そんなに怯えなくてもいいんですよ~コウにぃ。なぁに、直ぐに
終わりますから、コウにぃは天井の染みで.....んっ!?こ、この気配は!?」
嫌がるコウに向けて、おっさんくさいセリフを吐いていたミルが、
何かにの気配に気づき、ドアの方へと急ぎ目線を向ける。
「チ...あの連中、もう感づいたんですか!中々に行動力が侮れない
人達ですね!ですが、やらせませんよ!」
『発動しろぉぉ!クリイタァァァァッ!!』
ミルがギフト技、有象無象の発明を発動させ、ドアへ向けて手を突き
出すと、ドア周辺に次々と鍵が作られてロックされていく!
「ふふふ...これでよしっと♪」
ミルがそう呟いた瞬間、
ドアノブをガチャガチャ動かす、大きな音が部屋周囲に響く。
「な...どういう事だ?ド、ドアが...開かんぞ!?」
「ええぇぇ!確か、コウ君の部屋に、鍵なんてついてませんでしたよ!?」
「こ、この声はカノン先輩に、クーナさんか!?」
部屋のドアの向こう側から聞こてくえる、カノン先輩とクーナさんに
助けを求めるべく、ベッドから起き上がろうとするが、
「ふふふ...逃がしませんよ、コウにぃ♪さぁさぁ、お覚悟をっ!」
背中から両腕と両足でガッチリと俺の身体を固定し、俺の身動きが
できない様にしてしていた。




