174話・俺のお風呂タイムに起こった経緯
「ふう...ひどい目にあった......」
俺はベッドの上にバタンと倒れると、そのままの体勢で先程、
繰り広げられたお風呂での騒動を思い出している。
取り敢えず、身体を洗いたいからと言って、お風呂場からカノン先輩達を
追い出した後、ノンビリ頭を洗っていたらいつものミル得意の不意打ちを
くらってしまい、俺の心臓がとまりかける...
それを聞きつけたカノン先輩達がお風呂場に駆けつけてきて、ミルとまた
ひと騒動を起こす...
ふとクーナさんが俺の状態が全裸だと気づくと、顔を真っ赤にして
叫声を上げる...
そのクーナさんの叫声でカノン先輩も俺が全裸だと気づき
「ほうほう~これは中々の肉体美だな!」と関心する声を上げて
視線をくまなく動かし俺の身体を見回してくるので...
「ち、ちょっと、カノン先輩!そんなにジロジロ見ないで下さい!」と
俺は慌ててカノン先輩の視線から、身体を隠す様に身体を手を覆う。
「ふ...いいではないか!彼女が彼氏の身体をジロジロ見渡す...これに何の
おかしな所があろうものか...!」
俺の拒否反応に、腕を胸の前に組んで身体を少し反らしているカノン先輩が、
したり顔をして「だから!これは彼女として当たり前の行為なのだ!」と
述べてくる。
なので俺は「それでも、今は取り敢えず出ていきましょうね、カノン先輩に
クーナさん。それにミルもねっ!」
そう叫声を荒らげて、みんなに軽い注意を促すと、再びカノン先輩達を
お風呂場から追い出す...
これがこの後、大体五回くらい繰り返し行われて...
今現在の俺はこんな状態なのである......。
「だぁぁぁっ!ほんっとうに、マジで疲れた.........っ!」
そんな俺のクタクタな心と身体を代弁した言葉が、俺の口から
洩れる。
さて...後は寝るだけなんだが......
「な~んかこの後、とてつもない事が起こる予感がする...。
主にミルが原因で......」
「ふふふ...よくぞ、それを見抜きましたね、コウにぃ♪」
「はう...!?こ、この声は...ミルッ!?」
俺はミルの声がした場所に顔を向けると、そこにはこんもりとした
かけ布団が目に映り、そのこんもりしたかけ布団がバッと取り払うと、
その中からニヤリと微笑むミルが現れた!
「な、なんでお前が部屋の中にいるんだ!?だってさっき、部屋の前で
別れたじゃないか!?」
そう...言葉通り、ミル達とはこの部屋の前で別れて、間を入れずに
そのまま直接、この部屋に入った筈だ...
そ、それなのに、何故、ここにミルが入ってこられるんだ!?
この部屋に入る前、確かにミルは俺の後ろ側にいた...
そして直ぐ目の前のある部屋のドアを開けて、部屋に入った...
勿論、部屋の窓からは構造上、外から入ってくる事はできやしない...
え?どういう事?後ろにいた筈のミルが、気づけば部屋の中にいる...??
嗚呼、意味がわからん!?し、思考が理解してをくれないぃぃ!?
俺は自分の思考と一緒に謎解きを問答していると...
「ふふ...私がどうやってこの部屋にいるのか、頭を悩ませているみたいだね。
その答えはね...これを使ったからなんだよ♪」
ミルがニコッと微笑みを見せると、その答えを教える為に口を開く。




