表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/237

170話・俺がヒドイ目に合っていたその頃...1


ここはアーチに数個存在するといわれている『迷宮』と呼ばれている

古代のダンジョンで、遥か昔の人間......所謂、古代人作ったとされている。



そしてこの迷宮に、ひとりの少年と二人の少女が挑戦していた...。



コツン...コツン...


「見て見て、行き止まりに大きな扉!それに扉に刻まれたこの紋章...

うん、どうやらここがこの迷宮の最終地点みたいだね!」


ポニーテールの少女が髪をなびかせて、クルッと横に向きを変えると、

隣にいた少年に屈託のない笑顔で話しかける。


「ふふ...後はこの扉の奥にいるガーディアンさえ倒せば、ボク達の目的も

無事に達成だ!」


後もう少しで目的を達成できる事に、その少年も喜び勇んでニコッと微笑む。


「それじゃ主様。この扉、ちゃっちゃと開けちゃうねぇ~♪」


「ああ、頼んだよ!」


「オッケー!任せてよ~~♪」


少年の左隣にいた、腰までのびるキレイなショートボブヘアの少女が

ニコッと微笑みを見せると、目の前にそびえ立つ巨大な大きな扉を

ドンドン開けていく。


「うへ...いつ見ても、あの子のバカ力にはビックリしちゃうなぁ......」


本当、筋肉なんて全然ない細くて華奢な身体をしている癖に、どうして

あんな重そうな扉...楽々と開けられるんだろ...。


大きな扉を難なく開けていくショートボブヘアの少女に、ポニーテールの

少女が困惑と驚きの入り混じった表情を浮かべる。


「お~い、主様~!無事に扉が開きましたよぉ~~っ!」


ポニーテールの少女がそんな事を考えていると、ショートボブヘアの少女が

手を大きく振って、扉が開いた事を知らせてくる。


「ありがとう!じゃ早速、部屋の中に入ってみようか♪」


「うん、そうだねっ!」


少年とポニーテールの少女が気合いを入れ、扉の中に入る為の準備をすると、

金髪の少女が待っている開いた扉へゆっくり歩いて行く。



ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!



少年達が開いた扉の奥に一歩足を踏み入れた瞬間、多数の松明らしき物に

炎が次々と点火して、部屋中がドンドン明るくなっていく。


「うわ...この部屋って数百年、人々から放っておかれた筈なのに、

結構キレイだねぇ?」


「キサマラ...ナニヲシニ、ココヘキタ......?」


「こ、この声は...!?」


部屋の中を見渡していたポニーテールの少女の耳に、突如低い唸り声が

聞こえてくると、その声の聞こえてくる方向へ慌てて顔を向けた...


するとそこには、ズシン、ズシンッと歩く音を響かせて、この部屋のボス...

牛の巨人こと、ミノタウロスがこちらへ近づいてくる。


「ソノキャシャデ、ゼイジャクナルスガタ...サテハキサマラ、ヒトゾクダナ?

シカシ、ヒトゾクゴトキガ、ヨクココヲミツケルコトガデキタモノダナ......」


「う~ん、見つける事が...って言うより、知っていた...の方が正解かな?」


ミノタウロスの問いに、少年が首を傾げて、少し引っ掛かる言い方で答えを

返す。


「シッテイタ?シッテイタトハ、ドウイウイミダ!?」


ミノタウロスが少年の意味不明な言葉を聞いて、眉をピクッと動かし苛立って

いると...


「それを貴方が知る必要なんてないわ。だって...ここで死ぬんですもの♪」


ショートボブヘアの少女が少年の前にスーッと立ち、ミノタウロスに向かって

ニコニコ笑顔で死刑宣告をする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ