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169話・俺のお風呂タイムに乱入者


「すすす、すいません!開けるドアを間違いましたぁぁぁっ!」


デジャヴを感じる中、動揺したミルがコウとセティに頭を大きく下げて

謝ると、慌ててドアを閉める。


「......って、間違ってないわぁぁぁぁぁぁっ!!」


数秒間の間があった後、ミルが血相を変えた顔で、再びドアを大きく開けて

叫声を荒らげる!


「ちょっと!コウにぃ!その女は、さっきの...女のひ...と...だよね......

って、あれ?い、いない!?」


ミルがコウとそこにいる筈のセティに向けて、人差し指をビシッと突きつけるが、

何故かその瞳にセティの姿が映ってなかった。


「どこ!?あの女、一体どこに消えたのよ!?」


ミルが風呂桶の中、端の隙間、そして脱衣所をくまなく探すがどこにも

女性らしき人物は見つからなかった。


「おっかしいな......あんなにハッキリ見えたのに、何でどこにもいないのよ...」


ミルはいくら探してもどこにもいないさっきの女性に、首を傾げて思考が

グルグルしてしまう。


「も、もしかして...幽霊じゃないのか......!?」


「はう!?カ、カノン先輩!?何であなたがここに!?」


背後から突如現れたカノン先輩に俺はビックリしてしまい、思わず身体が

ピョンッと飛び上がる。


「何でここに...は酷いな...」


「あ...すいません、そういうつもりで言ったんじゃないんです!」


ジト目でちょっと拗ねてしまったカノン先輩に、俺は頭を下げて

ペコペコと何度も謝った。


「ふ...まぁいい...。それよりも、コウ。私達の残り湯には、もう浸かって

くれたのか?」


「え...イヤ、まだお風呂場に入ったばかりですから......はは」


カノン先輩がさっきの表情とは打って代わり、ニヤリと口角を上げて、

俺の肩に手をポンッと乗せると、したり顔をしてくる。



「そっか...今からか...。それなら、存分...に......ん?き、気のせいか?

このお風呂の水...入れたばかりみたいにキレイなんだが......?」


「それよりももっとキレイになっていませんか?何か光っているし...」


「うむ...そう言われれば...??」


カノンとクーナが先程セティが浄化した水を不思議そうにジィィーッと

睨む様に見つめている。


「そ、そうですか?た、多分、気のせいだと思うんですけど!」


「ふ~む、確かに魔石の数は減っていないようだし...私達の気のせいなのか?」


「ね。カノン先輩の気のせいですって...あは、あははは......!」


キラキラ光っているお風呂のお湯を見て、目線を魔石の置いてある場所に

向けるが、どう見ても使用された様子も形跡もなく、ハテナ顔をしてとても

不思議がっているカノン先輩とクーナさんに、俺はニガ笑いを浮かべ、

それを懸命に誤魔化した。


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