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16話・俺の名前


「コウ・ラーディス...わかった、覚える努力は...する...」


カノンは目を閉じ、首をコクンッと小さく縦に振る。


おお、やった!カノン先輩、是非、是非、俺の事を覚えて下さいね!!


「それでコウ、キミもこの本に用があったのかい...?」


さっき見つけた氷系の技や魔法が記載されている本を、カノンが

コウの目に映る様に見せる。


キャァァァァァ――――ッ!


カカ、カノン先輩が俺の名前を呼んでくれているぅぅぅ―――っ!


「は、はい!次の俺の試験課題が氷系の技や魔法なので、その本で

勉強しようと思いまして...」


自分の名前呼びに俺は喜びを隠せないまま、カノン先輩の問いへ答える。


「なるほど...そう言う訳なら、その氷系の技...私が指導して...あげようか?」


コウの理由をフムフムと聞いていたカノンが、それならと指導の申し出を

してくる。


へ...!?い、今...カノン先輩、何て言ったの......?


俺の名前呼びに興奮し過ぎて、カノン先輩の言葉を聞き逃しちゃった......


な、なんか...お、俺の事を指導して下さるとか、下さらないとか

そんな事を仰って言っていた様な......?


イヤイヤ...それはないかっ!


だって、ほぼ初対面の俺に、あのカノン先輩がご指導して下さるなんて...


そんな事、あるはずないじゃないか......!


で、でも...もしかしたら、本当に指導してくれるのでは......


「え...と、も、もしかして...俺の事を......そ、そのカノン先輩がご指導して

くれるんで...しょうか......?」


俺はドキドキする鼓動を押さえながら、カノン先輩にご指導の話を改めて、

もう一度確認してみる。


「うん...くれるんです!」


キャァァァ――ッ!本当に指導して下さるのかぁぁぁ―――――ッ!!


「それで...私の指導...受けるか...?」


カノンが人差し指をビシッと突き出し、コウにどうするか聞いてくる。


「そんなの...決まっているじゃないですか!カノン先輩!ご指導の程、

よろしくお願いしますっ!!」


カノン先輩に、俺はキレイな7の字でお辞儀してお願いする。


「うむ...先輩に任せろ!それじゃ...放課後、フリーグラウンドに...集合な!」


突き出した指をサムズアップに変えてそう告げると、カノンが図書室を

出ていこうと足を出入りへと向ける。


「ハッ!了解であります!カノン先輩殿!!」


そしてその去って行くカノン先輩に俺はビシッと敬礼をして、お見送りを

するのだった。


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