表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/237

150話・俺を妹が、思いっきりディスッてきた


「いやいや。そういうナユユちゃんだって、その年齢でその魔法の威力は

結構チートレベルと思うんだけど?」


「うふふ、お褒めのお言葉ありがとうございます♪でも魔法の威力(これ)

チートというより結果であって、魔道具作りの工程で上昇した...そう、

いわゆる副産物というやつですわ。わたくしはね、ミルさん。魔法効果を

アップさせる究極の武器をこの手で作りあげたいんですよ!だから魔法は

その効果を確かめる為に覚えたのです...」



『そして、魔法の威力は作成した魔道具の性能や耐久性を確かめる為の

オマケに過ぎませんっ!ハアアァァッ!巻き上がれっ!ファイアァァァ、

トルネエエェェェ―――ドッ!!』


ナユユがミルの問いに答え終わると、素早く魔法を詠唱し、クロスさせた

両腕を大きく広げる!


すると、ナユユの正面に轟音唸る炎の竜巻が現れ、ミルを巻き込み燃すべく

向かっていく!


「魔法のスゴさは魔道具の作成結果......って」



『発動しろ!クリエイタァァァァッ!』



ナユユの語る魔道具の情熱に少し呆れ気味のミルが、ギフト技...有象無象の

発明で作り出した【マジック・シールドボール】を突っ込んでくる炎の竜巻に

ポイッと投げつけると、マジック・シールドボールの中から魔法耐性を纏った

カーテンが出現し、ナユユの放った炎の竜巻を全て包み込み消し去った!


「ヒドイ事を言いますね、ナユユちゃんは。魔法力が悲しいまでにクソ低い、

私のコウにぃの事を思いっっきり、ディスっているんですけどっ!」


か、悲しいまでにクソ低い!?


「ちょっと、ミル!俺の事をディスッているのは、どっちかっていうと

お前だぞ、お前っ!そこはせめて、低いだけにしてくれよっ!」


ミルの発する言葉に悪気はないものの、その容赦のない内容に俺のハートは

瀕死寸前のダメージを食らう。


「あらあら。お兄様、完全にへこんでしまいましたわね?どこかの誰かさんが

言い放った『ド天然』発言のせいで......お可哀想に」


ショックで項垂れているコウを見たナユユが、ミルのド天然のせいで

可哀想に...と憐れんでいると、


「―――はうっ!?」


コウの悄然する姿に気づいたミルが目を大きく見開いて動揺し、その身を

カチンッと固くしてしまう。


「あわわわ...ちち、違うんですよ、コウにぃ!べ、別に悪気があっての

言葉じゃないんですよ!た、ただ少しだけ、本音がだだ漏れしてしまったと

いうか......」


「ほ、本音がだだ漏れっ!?」


心の中ではやはりそう思っていたのかと、俺はショックで再び頭を垂れて...

イヤ、垂れ過ぎて...その顔を地面にペタリとつけてしまう。


「――っ!?コ、コウにぃがさっきより更に暗くなってしまったっ!?」


ドヨドヨと音が聞こえてきそうな程、落ち込んでしまうコウに、さっきよりも

ミルが動揺全開であたふたしてしまう。


「ふ...あなたのそのド天然さには、少しだけ同情してしまいますね......」


目の前で動揺しまくっているミルに、ナユユは苦笑しながら同情の念を

こぼしてしまう。


「うっさい!同情なんて結構です!さ、さぁ、そんな事より、続きをやるよ!

続きをっ!」


ナユユの憐憫な表情に、ミルが膨れっ面でプンプン激おこすると、次元断裂

ブレードを身構えて、決闘の続きを催促する。


「あらら、拗ねちゃった。やはりミルさんは、面白くも可愛いですよね♪」


子どもっぽい言い訳を述べてくるミルに、ナユユはクスッと微笑みをこぼすと、

温かい表情を浮かべてしまうのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ