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144話・俺の彼女達がついてくる


「ふ...中々、どうして...見事なヤンチャっぷりだな、三人とも。

この感じ、我がド変態の愚妹を彷彿させるぞ!ふ、まぁいい......

ならば、私もコウの家にお泊まりをさせてもらうとするか!」


「そ、そうですか、カノン先輩も俺の家に泊ま――はいぃぃ!?カカ、

カノン先輩もお、俺の家に泊まりにくるぅぅうぅぅっ!?」


口角を上げて、ニヤリと微笑むカノン先輩の放つその発言に対し、

俺は目を大きく見開いてビックリ仰天してしまう。


イヤイヤ、さ、流石に学生同士が一緒の家でお泊まりするっていうのは、

いくらなんでも、少しばかり不味い様な気が...。


と、特にカノン先輩は騎士貴族さんだし...も、もしお泊まりがカノン先輩の

両親の耳にでも入ろうものなら......


こ、怖えぇぇぇぇぇぇぇ―――――っ!!


俺、確実にカノン先輩の両親から亡きモノにされてしまうぅぅぅっ!!


「カ、カノン先輩、それは...さ、流石に...」


俺はその可能性を思考すると、身体中がブルブルと震え出してしまい、

それを回避するべく、やんわりとカノン先輩へお断りの言葉を

伝えようとした瞬間...


「勿論、私だけがコウの家に泊まるのではない。当然このクーナちゃんも

一緒にだっ!」


コウの言葉を遮り、カノンがそう述べると、クーナを自分の横にサッと

持って来る。


「ほ、ほへぇ!?わわ、私もお泊まりですかぁぁぁぁっ!?」


「ん...なんだ、クーナちゃん、何か弱腰だな...?そんな事では、妹ちゃん達に

色々と先を越されてしまうぞ?」


カノンがジト目をしてクーナの積極性の無さに、軽く説教な言葉で窘める。


「はう!?そ、それだけは、勘弁ですっ!わ、私にだって、か、彼女と

してのプライドはあります!わ、わかりました!では、コウ君!わ、私も

及ばずながら、カノン先輩と一緒にコウ君の家へお、お泊まりに行かせて

もらいますねっ!」


カノンの窘めの言葉を聞いてクーナが、彼女としてもメンツを保持する為、

その瞳をメラメラと燃やすと、やってやるぞの闘志をあげてくる。


「ん...理解が早くて助かるぞ、クーナちゃん。そういう訳だ...我が彼氏、

コウよ。私達もこのままコウの家については行くからなっ!」


カノンがコウにビシッと敬礼をしてそう伝えると、


「よ、よろしくお願いしますね、コウ君!」


クーナも慌ててコウに向けて頭を大きく下げてそう述べる。


「ちょ、ちょっと、待って下さいよ!カノン先輩、それにクーナさんも!

な、何か俺の意見を聞かずにドンドン話が決まっている気がするん

ですけど!?」


俺は殆ど決まりかけているカノン先輩とクーナさんのお泊まりに対し、

あたふたと慌てながら異議を述べ、なんとか二人のお泊まりを

阻止できないかと抵抗をしてみる。


...が、


「ん...?なんだ、コウ?まだ否定してくるのか?ったく...自分の彼女達が

キミの家にお泊まりするんだぞ?そこは彼氏なんだから...素直な気持ちで

喜び勇んでおけっ!!」


「――ホギャァァッ!?」


嘆きを入れて抵抗するそんな俺に、やれやれといった表情をしたカノン先輩が、

今の状況を喜べと発した瞬間、大きくしならせた手で俺の背中をバンッと叩き、

活を入れるのだった。


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