129話・俺の妹、喫驚する
「ほら!そこの銀髪のお姉さんが彼女と、言っているじゃないですか!
私は絶対認めませんけどねっ!」
「あ...そうそう、追加して言うが...そこのクーナちゃんも私と同様、
このコウの彼女さんだからな!」
「へ!?」
カノンの述べる答えを聞いて、ミルがやはり聞き間違いだったかと思った
瞬間、手のひらをポンと叩いて、カノンが追加情報を足してくる。
「イヤ...あなたが何を言っているか、全く意味がわからないのですが??」
カノンの述べる言葉を全く理解できないミルが、目を見開いて喫驚する。
「多分...ミルのお兄さんがあの銀髪の女性さんと、そっちのオレンジ色の
髪の女性の二人と付き合っているんじゃないの?この世界は一応、何人者の
異性とおつき合いしても、結婚してもいいんだし...」
「へ!?何人とつき合っても良いの!?この世ってそんななのっ!?」
カノンの言う事が理解できず、頭の中がグルグルしているミルに、友達の
ロイエが一夫多妻の情報を優しく教えると...
その情報を全然知らなかったのか、ミルが先程より目を見開き喫驚している。
イヤイヤ...例え世の中がそうだったとしても、これは嘘でしょう...。
だってあの鈍感全開のコウにぃが、女性と付き合ってるってだけで
ビックリなのに...それが二人とだなんて...。
「ふ...冗談にしても、全く笑えない話ですよ!そうですよね、コウにぃ!
それはその銀髪のお姉さんの戯言ですよねっ!」
「えっ!?それは...その......あの......ははは!実は、二人とも俺の...
か、彼女さんなんですっ!すいませんっ!!」
「はうぅ!?な、何ですとぉぉぉぉっ!?」
動揺であわあわしているミルに、コウがニガ笑いをいっぱいこぼしながら
問いの答えを返すと、そのショックでミルが地面へ腰をペタンッと落とす。
「本当に...本当なのですか、ナナさん!本当にコウにぃはあの二人と
お付き合いをしているのですか!?」
まだコウの述べる事に納得いかないミルが、もう一度確かめる為に今度は
違う人物、ナナへ同じく質問をなげる。
「え...ああ、その...うん、まぁ...一応、そうみたいだね...」
ナナもミルと同じく、コウの交際を認めたくないが質問されたので、
しょうがなく質問の答えを返す。
「お、おのれ...やっぱり本当の事だったのか...。まさか、あのコウにぃに、
二人の恋人でできるとは......く、完全に出遅れたぁぁあぁぁっ!!」
カノンの...そしてナナの答えを聞いて、ミルが無念と言わんばかりに地面を
ドンドンと拳で叩いて、出遅れた事を後悔してしまう。




