120話・俺の隠しステータス
「イヤ...は、反対って言うか、その...精霊の契約って、魔力をタップリ......」
『はは~ん、わかりました。さては私へ提供する魔力量の事が、とても
気になっているんですね?』
「まぁ、ぶっちゃけそういう事かな。何せ俺はただの一般人だし、
ステータスもギフトも普通も普通だからさ...ははは」
セティに拒否する理由を述べていくと、段々と言っている事に空しく
なっていき、思わずニガ笑いがこぼれしまう。
「それは表向きのステータスが...でしょう?でも、安心して下さいな!
コウの隠しステータスの方は、まぁまぁというか...結構な数値ですので!」
「表?隠し??それはいったい何なんだい?もしかしてステータスって
他も存在するのかい?」
突如セティ述べる隠しステータスという言葉に、俺はその意味がわからず、
ハテナ顔になって、それを問いかける。
「ええ、存在しますよ!これは別名『ブーストステータス』って、いうんだけど...
コウの場合、このステータスが人より多いみたいなの♪」
ブーストステータス...あ!
そ、そう言えば、あのポイズンベアとの戦いでクーナさんにブースト魔法を
かけられた時、何か物凄く強くなった気がしてたけど...
「そっか...あの力はそういう事なんだ?」
「この隠しステータスが多いほど、ブーストアップした時に隠しステータスが
加算されて強くなるんだよ!」
「じゃ、ブースト魔法って、通常のステータスをアップさせるんじゃなく、
その隠しステータスが加算される魔法だったんだ?」
セティの述べる知らなかったブースト魔法の事実に、俺は目を見開いて
喫驚してしまう。
「因みにコウの隠しMPステータスは300ありますから、十分に私の力を
補えますよ♪」
「さ、300!?表ステータスのMPはたったの30ぽっちしかないのに
そんなにあるんだ?」
俺は隠しステータスのあまりの数値に、信じられないといった表情を見せて
驚いてしまう。
「そうですね...正直、これ程のMPポイントの多さは、勇者の類いのLVですよ?」
「勇者LV!?」
「もしかして、コウはそういう系の転生した姿なのかもしれませんね♪」
セティがニコッとした笑顔の見える声で、コウのもしかしてを述べてくる。
「はは...それは多分ないかな。だったら、表ステータスも大きくなきゃ
おかしいもん!」
それに勇者クラスの転生を述べるなら、俺よりカノン先輩やナナ...それに
ラールみたいな奴がそれに当たるんだろうな...。
「まぁ...そういう事なので、MP消費の方は何ら心配はありませんから!」
セティが屈託のない笑顔であろう口調で、コウに安堵の言葉を送るのだった。




