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105話・俺の幼馴染の不快な矛盾


「そう...そんなわけないんだ......」


何故ならば、あの学園には魔法を使った反乱を防ぐ為、魔法を無効化させる

バリアが全てに展開してある。


だから先生の許可を取ったり、教室や体育内等での使用とかの特定条件以外では

魔法の類いは無効化されるのだ。


その特定条件の場所で魔法をかけられたとしても、それ以外の学園内に

足を踏み入れたら、即座にどんな魔法の効果も無効化される仕組みになっている。


そういう理由で、私が誰かに洗脳系の魔法をかけられたとしても、この学園に

入った瞬間、その効果が無効になるのだ。


「でも洗脳じゃないなら、二人の事を考える時に起こる、この頭の痛みと

胸の内を不安感いっぱいに変える、この気持ちは何...?」


どうして、私の感情はこうもかき乱れているの?


どうして、私の感情はこうも揺れ動いているの?


二人の事を考えれば考える程、ドンドンと湧き出てくるこの吐き気にも

似た心の葛藤...


二人の事を考え......


ハッ!?コーッ!?


「違う!二人じゃない!私はコウの事だけを大好き――――イッ!?」


ラール君よりコーの事を強く考えた瞬間、先程より更に頭の中を

キリキリと力痛く締めつけられる感覚に陥った。


「イタタタ....くぅ...ま、また痛みが...。洗脳じゃないなら、この痛みは...

一体、何なのよっ!」


この痛み...というか、この感覚...実はずっと昔からある感覚で...


この感覚が走った後、決まって自分の中にあるコーへの思い...

好意な感情を消そうとしてくる......


昔は何ヵ月に1回あるか、ないかだったのだが、ここ最近ではその数が

ドンドン増してきて...そのキャパ超えなのだろうか、モヤモヤが

発動する度に、頭へガンガンと激痛が走る。


でもこんなモヤモヤな感覚...絶対に認めたくない私は、コウの世話を

引くくらい積極的に優先したり、コウに好意を持っているみんなの

邪魔して排除した事もあった。


そして時には自分の嫉妬心を無理矢理煽って、強引な行動にも

出た事がある...


私はこんなにこいつが...コーの事が大好きなんだぞっと、心に深く深く、

刻み込んで、このモヤモヤを打ち消す為に...


相手に蔑まれようが、コーから変な目で見られようが、私は頑張る...

コーを大好きを忘れるものか...忘れてたまるものかっと!


それでも、少しずつだが忘れていく...あいつへの好きな気持ちを...

好意の心を......


どうして......


どうして......


「どうしてなんだよっ!なんでこんなにも愛し焦がれる、あいつへの気持ちが

消えようとしているのに...それを気にしなく...なってくるのよっ!」


おかしい...おかしい...おかしい...おかしい...


「こんなのおかしいじゃないかぁぁ――っ!洗脳じゃ...洗脳じゃなかったら、

一体なんだっていうのよ、この不快な矛盾はぁぁぁ―――っ!!」


コーへの思いを...好意を忘れようとしているのに、それが当たり前になっていく

自分の心......


そんなクソみたいな不快感でいっぱいな矛盾、そんなものは絶対に認めんと

私は腹を立てて、思いっきり叫声を高く荒らげるのだった。




◇◇◇◇◇◇




そんな葛藤中のナナの事を、学園の屋上でジィィーッと見つめている

謎の人物がいた...。



「ふふふ...そのモヤモヤはね、洗脳魔法なんてそんなチャチなものじゃ

ないんだよね。その感覚は魔法なんかでは現せないもので、遥か昔に

約束された『(モノ)』」


そう...未来へと誓った愛の『絆の楔』なのさ...。


学園屋上に立っていてる謎の人物が、下の方で悩んでるナナを見て、意味の

わからない何かの思いを語る様に呟いていた。


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