100話・俺の彼女の決闘
「まぁ...いい。それなら、そのオーラごと叩き潰す...それだけだ...」
カノンがひと呼吸おいて冷静さを取り戻すと、再びムゲに向かって
槍を身構える!
「しかし、三人で戦う...か。これが公式決闘だと知っての狼藉なのか?」
「ほざいていろ!戦いなんてもんは勝てればいんだよ、卑怯でも
勝てればなぁっ!」
「さっき紳士と言った前言を消す...。所詮、お前はお前だったな...ムゲ!
いいだろう...まとめて相手になってやる...かかってこい!」
三人で戦おうとするムゲに、半ば呆れた表情を浮かべ、蔑む口調を
カノンがこぼす。
「ハンッ!相変わらずのすまし顔だな...。だが、その顔が俺様達の連携
攻撃を受けても尚続くか...見物だな、カノォォォォンッ!!」
『はぁぁぁ!食らえやぁぁぁ!ファイア・トルネェェェェドォォォッ!』
ムゲが魔法を詠唱し現れた炎の竜巻が、轟音を唸らせカノンに襲い掛かる!
「この炎魔法はっ!?こいつ...高位魔法も使えるようになっていた
のかっ!?」
『く...やらせない...。コールド・ウォォォルッ!!』
カノンは炎の竜巻を防ぐする為、氷防御魔法を詠唱すると周囲に
氷のバリアが展開される!
『そんなバリア...粉々に砕いてやるでヤンスよ!食らえぇぇっ!
ファイア・ソニックショットォォッ!』
炎の竜巻に気を取られていると、横からテッカが追い討ちの炎魔法を
撃ち込んでくる!
「テッカ!お前もそんな高位魔法を使えるのか!?」
テッカの放った炎魔法が、カノンの氷の壁をドンドン削っていく...
「くう...やはり、氷系じゃ炎属性には相性が悪いな......」
カノンが愚痴をこぼしていると、展開していた氷のバリアがとうとう
砕けて散った!
「ぐへへ...俺の事も忘れちゃいけないでゲスよ!」
『ファイアァァァ・アロォォォ――――ッ!』
メンダが魔法を詠唱すると、無数の炎の矢がカノン目掛けて
射出される!
「ふ...お前もか、メンダ!だが、甘いぞ!ハァァァァァ――ッ!!」
カノンが白銀の槍を物凄いスピードで回転させると、自分へ目掛けて
飛んでくる炎の矢を、全て叩き落とす!
「ほほう...俺達のコンビネーションを交わすとは...やるじゃねえか、
カノン。さすがは俺様の将来の妻だぜ!」
「な...んだと...貴様...。今、何とか抜かした...?」
ムゲの発した言葉に、カノンの眉がピクッと動くと、誰が見てもわかる
くらいの怒り顔でムゲを睨んでいる。
「ふふふ...なんだ、そんなに聞きたいのか?ならば何度でも言ってやる!
お前は俺様のモノ...お前は俺様の妻だって言っ―――アペェェッ!!
グギャアッ!!ビギャアアァァァァァァッ!!!」
ムゲが下卑た笑いを浮かべながらカノンに目線を合わせ、自分の
身勝手な言い分を発しようとした瞬間...
ムゲが顔面、腹、そして股間に、今まで受けた事のない激痛が走り、
その場に気絶する!
100話、無事に達成!
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