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6話 王都で仲間集め

二日間更新止めてすみません

  「ここが王都ですか。大きいですね」


  フェータとシェリアの出会いから早一ヶ月。二人の姿は王都にあった。

  予言の書に勇者は王都で仲間と出会うと更新され、二人は大陸の中心に存在する王都まで遥々やってきたのだ。


  ここで晴れてシェリアに仲間ができたらフェータはシェリアに同行するのをやめるつもりだ。

  王都からでも手紙や人を遣わせればシェリアに情報は送れるだろうし、何より危険な目にはもう絶対に会いたくない。


  ちなみに、トット村を出発するとき村人から無茶苦茶引き止められた。もちろんフェータではなくシェリアのためだ。泣き出す者が続出する始末で、流石のシェリアもいたたまれなくなってかなり時間を取られた。

  フェータと一緒に殺されかけたはずのジャックまで号泣してたのは驚きだった。


  「色んなものがありますね……」


  『そうだな!あの村とは大違いだ』


  フェータとボーンはおのぼりさんのようにあちこちを興味津々といった様子で見てる。


  「……大して離れていないのに懐かしい気分だ」


  そんな一人と一本を横目にフェータは小さく呟いた。王都にはフェータにとって忘れたい思い出が山ほどある。


  「それでフェータさん。仲間を集めるといってもどこにいけばいいのでしょうか」


「あー、冒険者ギルドとか?」


  王都で仲間と出会うとは書かれてあったものの、その特徴や具体的にどこで出会うかなどは予言の書に書かれていなかった。


  「ギルド、ですか……」


なぜか嫌そうなシェリアを見て、フェータは彼女がギルドに内緒で魔物狩りしてたことを思い出した。


  「いや、別に根拠あるわけじゃないぞ。冒険者ギルドとかはなんかぽいかなあって思って」


  「 ギルドで構いませんよ。バレなきゃいいんですし」


  勇者がそんな考えでいいのかと思うフェータだったが、他に考えもないのでとりあえずギルドに行くことにした。


  「俺は元々王都に住んでたからな。案内しよう」


  フェータは自慢げに笑い、シェリアを先導した。


  しかし……


  「あのフェータさん、本当に合ってますか?」


  「あ、ああ、合ってる合ってる、きっと、いや、たぶん」


  色々な建物が立ち賑やかな大通りにいたはずの二人は、なぜか薄暗い路地裏のような場所に来てしまった。


「ギルドって絶対こんなとこにないですよ」


  フータはそんなこと知ってるわとは思ったもののコンんなことになったのは自分のせいなので絶対言えない。


  「いや、こういうところにひっそりと佇んでるギルドがあるかもしれないだろって……、え?」


  まさかだった。適当に言ったことが当たるとは。

  フェータの視線の先にある建物に「冒険者ギルド」と書かれた看板が掛けられてあった。

  蜘蛛の巣が作られ不気味な外観をしているが、中には結構大勢がいるようで話し声が聞こえてくる。


  「へえ、こんなとこにもギルドがあるんですね。早く入りましょう」


  シェリアは躊躇なくギルドに入っていった。フェータも恐る恐るシェリアについていく。


  中は寂れた酒場といった感じだった。薄暗いし、犯罪組織のアジトだとか怪しい取引現場だと言われても何らおかしくない雰囲気だ。

  普通ギルドといえば冒険者がごった返し賑やかなものだが、ここはその正反対である。全くもって人がいない。


  「何の用だ……?」


  カウンターの奥に立った目つきの悪い男が一言そう発した。低い幽霊のような声で、場の雰囲気も相まって恐ろしかった。彼は多分従業員、つまりはギルドの職員なのだろう。

 

  しかし、シェリアはこの不気味な職員に物怖じ一つしていないようだった。フェータはもちろんビビってる。

 

  「仲間を探しに来ました」


  「仲間……?パーティーを組みたいってことか?それなら北の方に行け……。ここにはロクな奴がいない」


  「北、というのは何でしょうか?」


  「……王都に来たのは初めてか?ここ王都にはギルドが二つある……。北……、街の中心部にあるのがちゃんとした方だ。さっさと北に行け」


  迷子だったんならこれでも持っていけと職員は地図を渡してくれた。見た目に反して優しい人のようだ。


  「さあ、今の内にとっとと帰るんだな」


  渡りに船だとフェータは急いでこの場を離れようとする。こんな怪しい場所で出会う仲間が勇者パーティーにふさわしい訳がない。

  しかし、シェリアはなぜか動こうとしなかった。


  「おい、シェリア。何してるんだ。早く北の方のギルドに行こう」


  フェータはシェリアを急かしたが、彼女はじっとその場に立ったままだ。


  「少しお待ちくださいフェータさん。……強者の予感がするのです」


  何不吉なこと言ってんだ!?この戦闘狂は!


  ……こういう場合のシェリアの勘は大抵当たる。


  数秒後、勢いよく入り口の扉が開いた。その先には居たのは、猫の獣人の少女を中心とした冒険者のパーティーのようだった。


  「ヤッホー、マスター!ニャニャ?見にゃい顔が居るにゃ」


  ふざけた奴だがシェリアが言ってんだし無茶苦茶強い奴なんだろうなあ……。これでまた戦闘に巻き込まれたりしたらマジでだりいなあ……。


憂鬱な顔でフェータは彼女らを見た。

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